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「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等は最新のDI情報をご参照ください。〈複雑性腹腔内感染症※1〉国内第Ⅲ相試験(C3591036試験)1)

※1「抗菌薬の臨床評価方法に関するガイドライン」2)において、腹腔内感染症の対象疾患は腹膜炎(骨盤内炎症性疾患による腹膜炎を含めてもよい)、腹腔内膿瘍、肝・胆道感染(胆嚢炎、胆管炎、肝膿瘍)と定義されているが、本試験において承認適応症以外の症例は含まれていない

1) 社内資料:国内第Ⅲ相試験(C3591036試験)(承認時評価資料)
2)抗菌薬臨床評価のガイドライン:厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課:薬生薬審発1023(3), 2017

本試験成績には一部承認外の菌種が検出された患者のデータが含まれていますが、承認時評価資料のため掲載します。

20歳以上の複雑性腹腔内感染症患者(敗血症の基準を満たす患者を含む)を対象に、ザビセフタの有効性及び安全性を検討するため、国内で非盲検非対照試験が実施された。本試験に関連する敗血症の有効性及び安全性については、「国際共同及び国内第Ⅲ相試験3試験日本人集団の併合解析(サブグループ解析)」を参照

試験概要

【目的】
入院を要する日本人成人の複雑性腹腔内感染症患者(敗血症の基準を満たす患者を含む)を対象に、ザビセフタ+メトロニダゾールの有効性、安全性を評価する。

【試験デザイン】
第Ⅲ相、前向き、多施設共同、非盲検、単群試験

【対象】
日本人成人の複雑性腹腔内感染症患者60例(敗血症の基準を満たす患者2例)

<主な選択基準>

スクリーニング時、以下のいずれかで複雑性腹腔内感染症の臨床的エビデンスが認められた20歳以上の患者

術前登録の場合、全身性炎症反応、腹腔内感染と一致する身体所見及び画像所見が認められ、初回投与24時間以内の規定された術式の外科的介入により感染確認が可能な患者術中もしくは術後に腹膜炎を伴う腹腔内感染(腹腔内に膿を認められる)が確認され、外科的介入時に以下のうち少なくとも1つの診断を受けた患者破裂もしくは穿孔を伴う壊疽性胆嚢炎または胆嚢壁を越えた感染の進行を伴う胆嚢炎穿孔または膿瘍を伴う憩室疾患虫垂穿孔または虫垂周囲膿瘍急性の胃または十二指腸穿孔(穿孔後24時間を超えてから手術を受けた場合のみ)外傷性腸穿孔(穿孔後12時間を超えてから手術を受けた場合のみ)二次性腹膜炎(肝硬変及び慢性腹水に伴う特発性細菌性腹膜炎は除く)腹腔内膿瘍(肝臓または脾臓において、その臓器を越える腹腔内病変が認められる場合を含む)

<主な除外基準>

外傷性腸穿孔と診断され12時間以内に手術を受ける、胃十二指腸潰瘍の穿孔で24時間以内に手術を受ける、または腹腔内各所見の原因が感染ではないと考えられる患者腹壁膿瘍または穿孔のない腸閉塞、あるいは穿孔のない虚血性腸疾患を有する患者段階的腹部修復術、腹部開放管理、または造袋術を含む手術を実施した患者静脈内投与による補液及び24時間以上の昇圧剤投与が必要と思われる敗血症ショックを有する患者真菌、寄生虫、ウイルスまたは結核による腹腔内感染症の疑いがある患者6~8週間の試験期間中、生存する可能性が低い、急速に進行する疾患または末期疾患を有する患者治験参加前72時間以内に全身性抗菌薬の投与を受けた患者(プロトコルで許容されている場合を除く)推定クレアチニンクリアランスが50mL/min(Cockcroft-Gault法)以下の患者

【試験方法】

適格な治験参加者にザビセフタ(セフタジジム2,000mg+アビバクタム500mg)+メトロニダゾール500mgを静脈内投与した。ザビセフタは120分かけて投与し、その直後にメトロニダゾールを60分かけて投与した。いずれの投与も8時間ごとに実施した。

<腎機能による用量調節>

投与期間中に推定クレアチニンクリアランスが50mL/minに低下した治験参加者では、腎機能障害の程度に応じて下表に基づき用量調節を行った。

クレアチニンクリアランスが50mL/min未満に低下した場合の治験薬の用法用量

  • 治験薬最終投与(end-of-treatment:EOT)時点、治癒判定(test-of-cure:TOC)時点及び後期フォローアップ(latefollow-up:LFU)時点に来院日を設けた。
  •  投与期間は5〜14日の間で治験担当医師の裁量により決定可能とし、発熱やその他の症状・徴候(局所的な改善及び全身性の改善を明らかに裏付ける)に基づいて判断した。

【評価項目】
<主要評価項目>

TOC時点の臨床効果(CE集団における治癒の割合[主解析]、MITT、mMITT、eME、ME集団における治癒の割合[補足的解析])

<副次評価項目>

EOT、LFU時点の臨床効果(CE、MITT、mMITT、ME、eME集団における治癒の割合)EOT、TOC、LFU時点の患者ごとの微生物学的効果(mMITT、ME、eME集団における有効の割合)EOT、TOC、LFU時点の原因菌別の微生物学的効果(mMITT、ME、eME集団における有効の割合)EOT、TOC、LFU時点における原因菌のMIC値別の微生物学的効果(mMITT、ME、eME集団における有効の割合) 等

<その他の評価項目>

敗血症患者に対する有効性と安全性
<安全性評価項目>
投与量にかかわらず治験薬を静脈内投与されたすべての治験参加者のLFU時点までの有害事象、全死亡率、治験薬投与及び治験を中止した理由、バイタルサイン、臨床検査値の臨床的に意義のある変化

【判定基準】
<臨床効果>

下表の定義に基づき「治癒」「治癒せず」「判定不能」で評価した。

<微生物学的効果>
下表の定義に基づき「有効」「無効」「判定不能」で評価した。

【解析対象集団】

【解析計画】
CE集団として評価可能な治験参加者が約50例得られ、かつ敗血症患者集団の基準を満たす治験参加者が3~5例含まれるよう約60例を組み入れる計画とした。なお、敗血症の基準を満たす患者は2例であった。

正式な仮説検定は実施しなかった。有効性評価の基準として、CE集団でTOC時点の臨床効果が「治癒」と判定された治験参加者の割合の点推定値が事前に規定した閾値である78.0%以上であることを確認した。

主要評価項目の主解析にはTOC時点のCE集団を用い、臨床効果が「治癒」と判定された治験参加者の数、割合及び95%信頼区間(CI)を算出した。

臨床効果の判定のため、判定委員会を設置した。TOC時点におけるMITT集団、mMITT集団、eME集団、ME集団でも補足的解析を記述的に行った。

安全性評価項目は、安全性解析対象集団を用いて評価した。
患者背景(MITT集団)

ベースライン時に腹腔内由来及び血液検体から検出された原因菌(2例以上で検出、MITT集団)

a ザビセフタ、メトロニダゾール承認外菌種
b ザビセフタ承認外菌種
TOC時点の臨床効果(主要評価項目)(CE集団における治癒の割合:主解析)

CE集団におけるTOC時点の臨床効果(治癒の割合)は90.0%(36/40例)(95%信頼区間[CI]:76.3,97.2)であり、点推定値が事前に規定した閾値である78.0%を上回った。

MITT、mMITT、eME、ME集団(補足的解析)
その他の解析対象集団でのTOC時点の臨床効果(治癒の割合)は、MITT集団で88.1%、mMITT集団で85.7%、eME集団で94.4%、ME集団で94.3%であった。

安全性(LFUまでの有害事象)(安全性解析対象集団)

有害事象は60例中42例(70.0%)に認められ、主な有害事象は、便秘、下痢各7例(11.7%)、不眠症6例(10.0%)、悪心、創合併症各4例(6.7%)等であった。

重篤な有害事象は3例(5.0%)に6件認められ、うち4件(誤嚥性肺炎、挫傷、イレウス及び大腿骨骨折)は同一治験参加者で報告された。その他の2例で、腎盂腎炎、痛風各1件が認められた。

治験中止に至った有害事象※1は2例(3.3%)に認められ、誤嚥性肺炎、腎盂腎炎が各1例(1.7%)であった。いずれの事象も治験薬とは関連なしと判断された。

投与中止に至った有害事象※2は認められなかった。

死亡に至った有害事象は、誤嚥性肺炎1例(1.7%)が認められたが、治験薬とは関連なしと判断された。投与期間の平均値(標準偏差)は7.2(2.19)日で、54例(90.0%)が5〜10日間の投与を受けた。

有害事象により治験中止に至った記録がある患者有害事象により治験薬の投与中止に至った記録があるが、治験の中止には至らなかった患者

有害事象の発現状況(安全性解析対象集団60例)

いずれかの群で3%以上発現した有害事象(安全性解析対象集団60例)

ザビセフタの効能又は効果は以下のとおりである。

4. 効能又は効果
〈適応菌種〉

本剤に感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、緑膿菌
〈適応症〉
敗血症、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍

メトロニダゾール注射液の効能又は効果、用法及び用量、用法及び用量に関連する注意(抜粋)は以下のとおりである。

4. 効能又は効果
○ 嫌気性菌感染症
〈適応菌種〉本剤に感性のペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属、ポルフィロモナス属、フソバクテリウム属、クロストリジウム属、ユーバクテリウム属
〈適応症〉敗血症、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、骨髄炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、骨盤内炎症性疾患、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍、化膿性髄膜炎、脳膿瘍
○ 感染性腸炎
〈適応菌種〉本剤に感性のクロストリジウム・ディフィシル
〈適応症〉感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)
○アメーバ赤痢

6. 用法及び用量
通常、成人にはメトロニダゾールとして1回500mgを1日3回、20分以上かけて点滴静注する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて、1回500mgを1日4回投与できる。

7. 用法及び用量に関連する注意(抜粋)
7.2 本剤は嫌気性菌に対して抗菌活性を有する。したがって、好気性菌等を含む混合感染と診断された場合、又は混合感染が疑われる場合は、適切な薬剤を併用して治療を行うこと。
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2024年11月作成 ZAV39O003A
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