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過活動膀胱(OAB)をはじめとした排尿障害の診療に携わる先生方へ失禁関連皮膚炎(IAD)の対処、お困りではありませんか?
失禁関連皮膚炎(IAD)の対処、お困りではありませんか?

監修:石川県立看護大学 成人・老年看護学講座 教授 紺家 千津子 先生

Q3
IADの発生メカニズムは?

A3 
付着した尿や便は皮膚のバリア機能に障害を起こし、角層の組織損傷が生じる。さらに角化細胞の損傷と炎症が引き起こされ、IADが発生する。

A3 付着した尿や便は皮膚のバリア機能に障害を起こし、角層の組織損傷が生じる。さらに角化細胞の損傷と炎症が引き起こされ、IADが発生する。

尿や便が皮膚に付着すると、水分で角質細胞が膨潤・崩壊し、皮膚浸軟が生じます。浸軟した皮膚ではバリア機能が低下し、刺激物が皮膚下層に浸透しやすくなるとともに、摩擦などによる皮膚損傷(びらんなど)が生じやすくなります。
また、尿中の尿素は細菌によりアンモニアと二酸化炭素に分解されてアルカリ化するため、皮膚pHが上昇して感染リスクが増大します。さらに、これらの作用によって起こる角層の損傷により刺激物の浸潤などが起こり、角化細胞が刺激されIADが発症します(図2)
なお、IADは皮膚表面の角層だけでなく、より内部の真皮にも損傷が起きていることが疑われています7)

  図2 IADの発生メカニズム

TEWL:transepidermal water loss(経皮水分蒸散量)

市川佳映,他 著.一般社団法人 日本創傷・オストミー・失禁管理学会 編.スキンケアガイドブック p232,照林社,2017より改変

 POINT 

このようにIADは、皮膚が尿や便に曝露した結果生じる「top-down damage」です。発赤など、比較的症状が軽い状態でも、内部の真皮にも損傷が起きている可能性があります。そのため、IADは発症予防が非常に重要となります。

7)Mugita Y, et al.PLoS One 2015;10(9):e0138117.

関連リンク主な有害事象[サブグループ解析]

有害事象は、トビエース群で392例中244例(62.2%)、プラセボ群で393例中142例(36.1%)に認められました。
トビエース群の主な有害事象は口内乾燥133例(33.9%)、便秘35例(8.9%)、めまい14例(3.6%)などであり、プラセボ群では、口内乾燥21例(5.3%)、便秘ならびに疲労各10例(2.5%)などが認められました。
本試験において副作用による死亡は報告されませんでした。重篤な有害事象は、トビエース群では14例(3.6%)、プラセボ群では9例(2.3%)に認められました。有害事象による中止はトビエース群で46例(11.7%)、プラセボ群で22例(5.6%)に認められ、主なものは口内乾燥(プラセボ群1例、トビエース群11例)、便秘(トビエース群2例)、認知機能関連事象(トビエース群3例)などでした。
(引用文献に記載された安全性情報は以上。安全性情報の詳細はDIをご参照ください。)

2024年2月作成 TOV39N029A
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