お知らせエリア
~海外市販後安全性臨床試験と米国のReal World Evidence~
「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等については、製品情報(電子添文等)をご参照ください。
本データには投与量、剤型などの記載が論文中になく日本の承認外用量が含まれている可能性があります。ORAL Surveillance試験(A3921133試験)の補助データとし、安全性の注意喚起を目的として掲載しています。
原著論文として学術雑誌に掲載され、査読を受けた試験成績です。
▶ 2部:トファシチニブにおける心血管系アウトカム:日常診療の関節リウマチ患者を対象としたトファシチニブにおける安全性試験の結果(STAR-RA試験)
1. Choy, E. H.:Rheumatology(Oxford)58(6):953, 2019
2. Danese, S. et al.:Gut 68(10):1893, 2019
3. Katkade, V. B. et al.:J Multidiscip Healthc 11:295, 2018
4. Garrison, L. P. Jr. et al.:Value Health. 10(5):326, 2007
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
国内で承認された内容以外の情報を含んでいます。
本邦で承認された用法・用量:通常、トファシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与する。
注)併用薬のMTXは各地域の規制で定められた用法・用量によるもので、本邦での承認用法・用量とは異なる。
本邦におけるMTXの承認用量(関節リウマチ):通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし、1週間単位の投与量を1回又は2~3回に分割して経口投与する。分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する。1回又は2回分割投与の場合は残りの6日間、3回分割投与の場合は残りの5日間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。なお、患者の年齢、症状、忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、1週間単位の投与量として16mgを超えないようにする。
海外データ
観察、後ろ向き研究、米国縦断コホート研究
目的
トファシチニブの海外市販後安全性臨床試験(ORAL Surveillance試験:A3921133)の結果から、トファシチニブ投与を受けた関節リウマチ(RA)患者において心血管系(CV)の安全性についての懸念が示されたことから、実臨床におけるCV安全性を検討する。
対象
Optum Clinformatics(2012-2020年)、IBM MarketScan(2012-2018年)、Medicare(パートA、B、D、2012-2017年)の請求データベースの非識別化データを使用して、トファシチニブまたは腫瘍壊死因子(TNF)阻害剤(インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ ペゴル、エタネルセプト、ゴリムマブ)による治療を開始したRA患者102,263例(うち、トファシチニブによる治療を開始したRA患者12,852例)
患者はベースライン期間である365日間(7日以上365日未満)において、RAの診断コードを2つ以上必要とした。
方法
対象を(1)日常診療の患者からなる「リアルワールドエビデンス(RWE)-コホート」、(2)ORAL Surveillance試験の選択基準および除外基準を模した「無作為化比較試験(RCT)-複製コホート」の2つに分け、それぞれのコホートにおける心血管系イベントのリスクを比較した。
実際の最終データ収集日
2021年12月30日
主要評価項目
心筋梗塞(MI)または脳卒中による入院を含む複合的な心血管系(CV)アウトカム
副次評価項目
個々(MI、脳卒中、心不全による入院、冠動脈血行再建術)のCVアウトカム、あらゆる原因における総死亡率 等
解析計画
治療開始前の365日間と定義されるベースラインの共変量評価期間中に76の潜在的な交絡因子(MarketScanでは75)を評価した。標準化差(%)は、傾向スコア(PS)層別化加重前後の治療群間の各共変量のバランスを評価した(10%未満)。
一次解析では、Cox比例ハザードモデルを用いて、PSによる層別化加重を用い、治療時曝露の定義を使用して潜在的交絡因子を考慮したハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定した。加重を考慮した95%CIを算出するために、ロバスト分散推定を用いた。また、ポアソン回帰を用いてトファシチニブとTNF阻害剤を比較した場合の粗発現率、加重発現率の差および95%CIを評価した。効果推定値は逆分散加重を用いた固定効果モデルを用いて3つのデータベースを統合した。各治療群について複合CVアウトカムの累積発現率および95%CIを別々に検討した。
二次解析では、RWE-コホートにおいて年齢(65歳以下および65歳超)、性別、ベースラインの心血管疾患(CVD)に基づき、事前に指定したサブグループ解析を実施した。さらに、bDMARDsの前治療薬の種類(0種類と1種類以上)により層別化し、CVアウトカムのリスクを検討した。また、intention-to-treatの曝露定義を用いて、トファシチニブまたはTNF阻害剤による治療を開始した患者を治療開始365日後時点で打ち切った。貪欲マッチングによる最近傍マッチングの置換なしを用いて、トファシチニブで治療開始した患者とTNF阻害剤で治療開始した患者に1:1PSマッチングを行った。RWE-コホートおよびRCT複製-コホートのTNF阻害剤群を、ORAL Surveillance試験で比較したTNF阻害剤群(アダリムマブおよびエタネルセプト)使用者に限定し感度分析を行った。
bDMARD(biologic disease-modifying antirheumatic drug)=生物学的製剤、CI(confidence interval)=信頼区間、CV(cardiovascular)=心血管系、CVD(cardiovascular disease)=心血管疾患、HR(hazard ratio)=ハザード比、MI(myocardial infarction)=心筋梗塞、ORAL(Oral Rheumatoid Arthritis Trial)=ORAL 試験、RA(rheumatoid arthritis)=関節リウマチ、PS(propensity score)=傾向スコア、RCT(randomized controlled trial)=無作為化比較試験、RWE(real-world evidence)=リアルワールドエビデンス(実臨床)、STAR-RA(Safety of TofAcitinib in Routine care patients with Rheumatoid Arthritis)=STAR-RA試験、 TNF(tumor necrosis factor)=腫瘍壊死因子
Khosrow-Khavar, F. et al.:Ann Rheum Dis 81(6):798, 2022
添付文書に記載されている内容は以下の通り「本剤を投与する場合は、心筋梗塞等の心血管系事象、静脈血栓塞栓症の徴候及び症状の発現について十分に観察すること。心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を有する関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験(A3921133試験)において、心筋梗塞等の心血管系事象の発現頻度は TNF 阻害剤群に比較し、本剤群で高い傾向が認められている。」
†:治療開始前の365日間と定義されるベースラインの共変量評価期間中に76の潜在的な交絡因子(MarketScanでは75)を評価した。
‡:CVリスク因子には、喫煙歴、高血圧、脂質異常症、糖尿病、虚血性心疾患、虚血性心疾患の家族歴が含まれる。
§:TNF阻害剤群には、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ ペゴル、エタネルセプト、ゴリムマブが含まれる。
¶:Medicare の患者は65歳以上である。
CV(cardiovascular)=心血管系、SD(standardized difference)=標準化差、std(standard deviation)=標準偏差、PS(propensity score)=傾向スコア、RCT(randomized controlled trial)=無作為化比較試験、RWE(real-world evidence)=リアルワールドエビデンス(実臨床)、STAR-RA(Safety of TofAcitinib in Routine care patients with Rheumatoid Arthritis)=STAR-RA試験、TNF(tumor necrosis factor)=腫瘍壊死因子
Khosrow-Khavar, F. et al.:Ann Rheum Dis 81(6):798, 2022より改変
添付文書に記載されている内容は以下の通り「本剤を投与する場合は、心筋梗塞等の心血管系事象、静脈血栓塞栓症の徴候及び症状の発現について十分に観察すること。心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を有する関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験(A3921133試験)において、心筋梗塞等の心血管系事象の発現頻度は TNF 阻害剤群に比較し、本剤群で高い傾向が認められている。」
†:治療開始前の365日間と定義されるベースラインの共変量評価期間中に 76 の潜在的な交絡因子(MarketScanでは75)を評価した。
‡:CVリスク因子には、喫煙歴、高血圧、脂質異常症、糖尿病、虚血性心疾患、虚血性心疾患の家族歴が含まれる。
§:TNF阻害剤群には、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ ペゴル、エタネルセプト、ゴリムマブが含まれる。
¶:Medicareの患者は65歳以上である。
b/csDMARD(biologic/conventional synthetic disease-modifying antirheumatic drug)=生物学的製剤/従来型合成疾患修飾性抗リウマチ薬、CV(cardiovascular)=心血管系、RA(rheumatoid arthritis)=関節リウマチ、SD(standardized difference)=標準化差、std(standard deviation)=標準偏差、PS(propensity score)=傾向スコア、RCT(randomized controlled trial)=無作為化比較試験、RWE(real-world evidence)=リアルワールドエビデンス(実臨床)、STAR-RA(Safety of TofAcitinib in Routine care patients with Rheumatoid Arthritis)=STAR-RA試験、TNF(tumor necrosis factor)=腫瘍壊死因子
Khosrow-Khavar, F. et al.:Ann Rheum Dis 81(6):798, 2022より改変
添付文書に記載されている内容は以下の通り「本剤を投与する場合は、心筋梗塞等の心血管系事象、静脈血栓塞栓症の徴候及び症状の発現について十分に観察すること。心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を有する関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験(A3921133試験)において、心筋梗塞等の心血管系事象の発現頻度は TNF 阻害剤群に比較し、本剤群で高い傾向が認められている。」
†:治療開始前の365日間と定義されるベースラインの共変量評価期間中に 76 の潜在的な交絡因子(MarketScanでは75)を評価した。
‡:CVリスク因子には、喫煙歴、高血圧、脂質異常症、糖尿病、虚血性心疾患、虚血性心疾患の家族歴が含まれる。
§:TNF阻害剤群には、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ ペゴル、エタネルセプト、ゴリムマブが含まれる。
¶:Medicareの患者は65歳以上である。
CV(cardiovascular)=心血管系、RA(rheumatoid arthritis)=関節リウマチ、SD(standardized difference)=標準化差、std(standard deviation)=標準偏差、PS(propensity score)=傾向スコア、RCT(randomized controlled trial)=無作為化比較試験、RWE(real-world evidence)=リアルワールドエビデンス(実臨床)、STAR-RA (Safety of TofAcitinib in Routine care patients with Rheumatoid Arthritis)=STAR-RA試験、TNF(tumor necrosis factor)=腫瘍壊死因子
Khosrow-Khavar, F. et al.:Ann Rheum Dis 81(6):798, 2022より改変
添付文書に記載されている内容は以下の通り「本剤を投与する場合は、心筋梗塞等の心血管系事象、静脈血栓塞栓症の徴候及び症状の発現について十分に観察すること。心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を有する関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験(A3921133試験)において、心筋梗塞等の心血管系事象の発現頻度は TNF 阻害剤群に比較し、本剤群で高い傾向が認められている。」
†:治療開始前の365日間と定義されるベースラインの共変量評価期間中に 76 の潜在的な交絡因子(MarketScanでは75)を評価した。
‡:CVリスク因子には、喫煙歴、高血圧、脂質異常症、糖尿病、虚血性心疾患、虚血性心疾患の家族歴が含まれる。
§:TNF阻害剤群には、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ ペゴル、エタネルセプト、ゴリムマブが含まれる。
¶:Medicareの患者は65歳以上である。
CVD(cardiovascular disease)=心血管疾患、SD(standardized difference)=標準化差、PS(propensity score)=傾向スコア、RCT(randomized controlled trial)=無作為化比較試験、RWE(real-world evidence)=リアルワールドエビデンス(実臨床)、STAR-RA(Safety of TofAcitinib in Routine care patients with Rheumatoid Arthritis)=STAR-RA試験、TNF(tumor necrosis factor)=腫瘍壊死因子
Khosrow-Khavar, F. et al.:Ann Rheum Dis 81(6):798, 2022より改変
添付文書に記載されている内容は以下の通り「本剤を投与する場合は、心筋梗塞等の心血管系事象、静脈血栓塞栓症の徴候及び症状の発現について十分に観察すること。心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を有する関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験(A3921133試験)において、心筋梗塞等の心血管系事象の発現頻度は TNF 阻害剤群に比較し、本剤群で高い傾向が認められている。」
†:治療開始前の365日間と定義されるベースラインの共変量評価期間中に 76 の潜在的な交絡因子(MarketScanでは75)を評価した。
‡:CVリスク因子には、喫煙歴、高血圧、脂質異常症、糖尿病、虚血性心疾患、虚血性心疾患の家族歴が含まれる。
§:TNF阻害剤群には、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ ペゴル、エタネルセプト、ゴリムマブが含まれる。
¶:Medicareの患者は65歳以上である。
CVD(cardiovascular disease)=心血管疾患、SD(standardized difference)=標準化差、PS(propensity score)=傾向スコア、RCT(randomized controlled trial)=無作為化比較試験、RWE(real-world evidence)=リアルワールドエビデンス(実臨床)、STAR-RA(Safety of TofAcitinib in Routine care patients with Rheumatoid Arthritis)=STAR-RA試験、TNF(tumor necrosis factor)=腫瘍壊死因子
Khosrow-Khavar, F. et al.:Ann Rheum Dis 81(6):798, 2022より改変
添付文書に記載されている内容は以下の通り「本剤を投与する場合は、心筋梗塞等の心血管系事象、静脈血栓塞栓症の徴候及び症状の発現について十分に観察すること。心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を有する関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験(A3921133試験)において、心筋梗塞等の心血管系事象の発現頻度は TNF 阻害剤群に比較し、本剤群で高い傾向が認められている。」
†:治療開始前の365日間と定義されるベースラインの共変量評価期間中に 76 の潜在的な交絡因子(MarketScanでは75)を評価した。
‡:CVリスク因子には、喫煙歴、高血圧、脂質異常症、糖尿病、虚血性心疾患、虚血性心疾患の家族歴が含まれる。
§:TNF阻害剤群には、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ ペゴル、エタネルセプト、ゴリムマブが含まれる。
¶:Medicareの患者は65歳以上である。
COPD(chronic obstructive pulmonary disease)=慢性閉塞性肺疾患、CV(cardiovascular)=心血管系、NMSC(non-melanoma skin cancer)=非黒色腫皮膚癌、SD(standardized difference)=標準化差、std(standard deviation)=標準偏差、PS(propensity score)=傾向スコア、RCT(randomized controlled trial)=無作為化比較試験、RWE(real-world evidence)=リアルワールドエビデンス(実臨床)、STAR-RA(Safety of TofAcitinib in Routine care patients with Rheumatoid Arthritis)=STAR-RA試験、TNF(tumor necrosis factor)=腫瘍壊死因子
Khosrow-Khavar, F. et al.:Ann Rheum Dis 81(6):798, 2022より改変
添付文書に記載されている内容は以下の通り「本剤を投与する場合は、心筋梗塞等の心血管系事象、静脈血栓塞栓症の徴候及び症状の発現について十分に観察すること。心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を有する関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験(A3921133試験)において、心筋梗塞等の心血管系事象の発現頻度は TNF 阻害剤群に比較し、本剤群で高い傾向が認められている。」
先ほどご紹介したORAL Surveillance試験(A3921133試験)の結果より、添付文書に記載されている内容は以下の通りです。
「本剤を投与する場合は、心筋梗塞等の心血管系事象、静脈血栓塞栓症の徴候及び症状の発現について十分に観察すること。心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を有する関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験(A3921133試験)において、心筋梗塞等の心血管系事象の発現頻度はTNF阻害剤群に比較し、本剤群で高い傾向が認められている。」
STAR-RA試験(CV)において、主要評価項目である複合心血管系(CV)アウトカムのトファシチニブ群とTNF阻害剤群を比較した傾向スコア(PS)層別化加重Pooledハザード比は、RWE-コホート1.01(95%CI:0.83-1.23)、RCT-複製コホート1.24(95%CI:0.90-1.69)でした。
コックス比例ハザードモデルに基づく。
†:主要評価項目は心筋梗塞または脳卒中による入院を含む複合的な心血管系(CV)アウトカムである。
‡:TNF阻害剤群には、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ ペゴル、エタネルセプト、ゴリムマブが含まれる。
§:Medicareの患者は65歳以上である。
¶:CVリスク因子には、喫煙歴、高血圧、脂質異常症、糖尿病、虚血性心疾患、虚血性心疾患の家族歴が含まれる。
CI(confidence interval)=信頼区間、CV(cardiovascular)=心血管系、HR(hazard ratio)=ハザード比、PS(propensity score)=傾向スコア、RCT(randomized controlled trial)=無作為化比較試験、 RWE(real-world evidence)=リアルワールドエビデンス(実臨床)、STAR-RA(Safety of TofAcitinib in Routine care patients with Rheumatoid Arthritis)=STAR-RA試験、TNF(tumor necrosis factor)=腫瘍壊死因子
Adapted by permission from BMJ Publishing Group Limited. Ann Rheum Dis.,
Khosrow-Khavar F, Kim SC, Lee H, Lee SB, Desai RJ., 81(6):798-804, 2022.
Khosrow-Khavar, F. et al.:Ann Rheum Dis 81(6):798, 2022より改変
添付文書に記載されている内容は以下の通り「本剤を投与する場合は、心筋梗塞等の心血管系事象、静脈血栓塞栓症の徴候及び症状の発現について十分に観察すること。心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を有する関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験(A3921133試験)において、心筋梗塞等の心血管系事象の発現頻度は TNF 阻害剤群に比較し、本剤群で高い傾向が認められている。」
主要評価項目である複合心血管系(CV)アウトカムにおけるトファシチニブ群とTNF阻害剤群を比較したそれぞれの粗発現率(100人・年あたりの発現件数)は、RWE-コホートのOptum0.73(95% CI:0.47-1.09)および0.61(95% CI:0.51-0.72)、MarketScan0.75(95% CI:0.52-1.05)および0.52(95% CI:0.44-0.61)、Medicare2.14(95% CI: 1.66-2.70)および1.86(95% CI:1.71-2.02)であり、Pooledでは1.31(95% CI:1.10-1.56)および1.24(95% CI:1.16-1.33)でした。
RCT-複製コホートでOptum1.33(95% CI:0.64-2.45)および0.94(95% CI:0.71-1.23)、MarketScan1.22(95% CI:0.65-2.08)および0.80(95% CI:0.60-1.04)、Medicare2.39(95% CI: 1.64-3.38)および1.78(95% CI:1.58-2.00)であり、Pooledでは1.83(95% CI:1.41-2.39)および1.46(95% CI:1.32-1.61)でした。
ポアソン回帰に基づく。
すべての推定値は、逆分散加重を用いた固定効果モデルによりプールした。
†:主要評価項目は心筋梗塞または脳卒中による入院を含む複合的な心血管系(CV)アウトカムである。
‡:TNF阻害剤群には、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ ペゴル、エタネルセプト、ゴリムマブが含まれる。
§:Medicareの患者は65歳以上である。
¶:CVリスク因子には、喫煙歴、高血圧、脂質異常症、糖尿病、虚血性心疾患、虚血性心疾患の家族歴が含まれる。
CI(confidence interval)=信頼区間、CV(cardiovascular)=心血管系、PY(patient-years)=人・年、RCT(randomized controlled trial)=無作為化比較試験、RWE(real-world evidence)=リアルワールドエビデンス(実臨床)、STAR-RA(Safety of TofAcitinib in Routine care patients with Rheumatoid Arthritis)=STAR-RA試験、TNF(tumor necrosis factor)=腫瘍壊死因子
Khosrow-Khavar, F. et al.:Ann Rheum Dis 81(6):798, 2022より作成
添付文書に記載されている内容は以下の通り「本剤を投与する場合は、心筋梗塞等の心血管系事象、静脈血栓塞栓症の徴候及び症状の発現について十分に観察すること。心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を有する関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験(A3921133試験)において、心筋梗塞等の心血管系事象の発現頻度は TNF 阻害剤群に比較し、本剤群で高い傾向が認められている。」
主要評価項目のサブグループ解析であるRWE-コホートにおける複合心血管系(CV)アウトカムのトファシチニブとTNF阻害剤を比較した傾向スコア(PS)層別化加重Pooledハザード比は、心血管疾患(CVD)の既往歴のある患者は1.27(95% CI:0.95-1.70)であり、心血管疾患(CVD)の既往歴のない患者は0.81(95% CI:0.61-1.07)でした。
女性の患者は0.97(95% CI:0.77-1.23)であり、男性の患者は1.05(95% CI:0.70-1.56)でした。
年齢65歳以下の患者は1.00(95% CI:0.66-1.50)であり、年齢65歳超の患者は1.05(95% CI:0.84-1.33)でした。
bDMARD使用歴ありの患者は1.06(95%:CI 0.79-1.40)であり、bDMARDの使用歴のない患者は1.02(95% CI:0.77-1.35)でした。
コックス比例ハザードモデルに基づく。
†:主要評価項目は心筋梗塞または脳卒中による入院を含む複合的な心血管系(CV)アウトカムである。
‡:TNF阻害剤群には、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ ペゴル、エタネルセプト、ゴリムマブが含まれる。
§:Medicareの患者は65歳以上である。
bDMARD(biologic disease-modifying antirheumatic drug)=生物学的製剤、CI(confidence interval)=信頼区間、CV(cardiovascular)=心血管系、CVD(cardiovascular disease)=心血管疾患、HR(hazard ratio)=ハザード比、 PS(propensity score)=傾向スコア、RWE(real-world evidence)=リアルワールドエビデンス(実臨床)、STAR-RA(Safety of TofAcitinib in Routine care patients with Rheumatoid Arthritis)=STAR-RA試験、TNF(tumor necrosis factor)=腫瘍壊死因子
Adapted by permission from BMJ Publishing Group Limited. Ann Rheum Dis.,
Khosrow-Khavar F, Kim SC, Lee H, Lee SB, Desai RJ., 81(6):798-804, 2022.
Khosrow-Khavar, F. et al.:Ann Rheum Dis 81(6):798, 2022より改変
添付文書に記載されている内容は以下の通り「本剤を投与する場合は、心筋梗塞等の心血管系事象、静脈血栓塞栓症の徴候及び症状の発現について十分に観察すること。心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を有する関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験(A3921133試験)において、心筋梗塞等の心血管系事象の発現頻度は TNF 阻害剤群に比較し、本剤群で高い傾向が認められている。」
副次評価項目であるRWE-コホートにおける個々の心血管系(CV)アウトカムのトファシチニブとTNF阻害剤を比較したPooledデータの傾向スコア(PS)層別化加重ハザード比は、心筋梗塞1.04(95% CI:0.82-1.33)、脳卒中0.93(95% CI:0.66-1.31)、心不全による入院1.07(95% CI:0.79-1.46)、冠動脈血行再建術1.04(95% CI:0.78-1.40)であり、総死亡率は1.20(95% CI:0.98-1.46)でした。
コックス比例ハザードモデルに基づく。
すべての推定値は逆分散加重を用いた固定効果モデルによりプールした。
†:TNF阻害剤群には、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ ペゴル、エタネルセプト、ゴリムマブが含まれる。
‡:米国の請求データベース(Optum、MarketScan、Medicare)を統合した18歳以上(Medicareは65歳以上)の患者を対象とした。
CI(confidence interval)=信頼区間、CV(cardiovascular)=心血管系、PS(propensity score)=傾向スコア、RWE(real-world evidence)=リアルワールドエビデンス(実臨床)、STAR-RA(Safety of TofAcitinib in Routine care patients with Rheumatoid Arthritis)=STAR-RA試験、TNF(tumor necrosis factor)=腫瘍壊死因子
Khosrow-Khavar, F. et al.:Ann Rheum Dis 81(6):798, 2022より作成
添付文書に記載されている内容は以下の通り「本剤を投与する場合は、心筋梗塞等の心血管系事象、静脈血栓塞栓症の徴候及び症状の発現について十分に観察すること。心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を有する関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験(A3921133試験)において、心筋梗塞等の心血管系事象の発現頻度は TNF 阻害剤群に比較し、本剤群で高い傾向が認められている。」
JAK(Janus kinase)=ヤヌスキナーゼ、MTX(methotrexate)=メトトレキサート、ORAL(Oral Rheumatoid Arthritis Trial)=ORAL試験、PS(propensity score)=傾向スコア、RA(rheumatoid arthritis)=関節リウマチ、RCT(randomized controlled trial)=無作為化比較試験、RWE(real-world evidence)=リアルワールド エビデンス(実臨床)、STAR-RA(Safety of TofAcitinib in Routine care patients with Rheumatoid Arthritis)=STAR-RA試験
1. Khosrow-Khavar, F. et al.:Ann Rheum Dis 81(6):798, 2022
2. Harnett, J. et al.:J Manag Care Spec Pharm 22(12):1457, 2016
3. Ytterberg, S. R. et al.:N Engl J Med 386(4):316, 2022
2, 3の試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
原著論文として学術雑誌に掲載され、査読を受けた試験成績です。
ゼルヤンツの承認用法・用量:通常、トファシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与する。
添付文書に記載されている内容は以下の通り「本剤を投与する場合は、心筋梗塞等の心血管系事象、静脈血栓塞栓症の徴候及び症状の発現について十分に観察すること。心血管系事象のリスク因子(喫煙、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の既往等)を有する関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験(A3921133試験)において、心筋梗塞等の心血管系事象の発現頻度は TNF 阻害剤群に比較し、本剤群で高い傾向が認められている。」
▶ 2部:トファシチニブにおける心血管系アウトカム:日常診療の関節リウマチ患者を対象としたトファシチニブにおける安全性試験の結果(STAR-RA試験)
本コンテンツは、日本国内の医療・医薬関係者を対象に、日本国内で医療用医薬品を適正にご使用いただくため、日本国内の承認に基づき作成されています。日本の医療機関・医療提供施設等に所属し、医療行為に携っている方を対象としており、日本国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
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