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「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等については、製品情報(電子添文等)をご参照ください。
「ゼルヤンツの単剤投与」をテーマに、既存のDMARDまたは生物学的製剤で効果不十分例を対象としたORAL Solo試験の結果をご紹介します。
監修:名古屋市立大学医学部附属東部医療センター 整形外科 教授 永谷 祐子 先生
RA治療薬において単剤での有効性および安全性は興味深いところです。
DMARD効果不十分例においてゼルヤンツの単剤投与における有効性および安全性を検討した第Ⅲ相試験ORAL Solo試験の結果は、様々な背景を持つ患者さんの状態やニーズを考慮しながら治療選択肢を日々検討されている先生にとって参考になるかと存じます。
日本において、ゼルヤンツは2013年7月に発売され、2023年7月で10周年を迎えました。
発売以来、特定使用成績調査(全例調査)による安全性の検討を行ってきました。
2018年12月5日までに調査票が固定された症例(安全性解析対象症例:MTX使用条件適合症例4,470例、全例6,866例)について6ヵ月間観察時の臨床使用成績をまとめ、規制当局の評価を経て、厚生労働省より2019年9月2日付けで関節リウマチの全例登録にかかる承認条件を解除して差支えないとの事務連絡を受領いたしました。2019年9月5日の登録症例数は11,739例でした。
2022年2月には、特定使用成績調査の最終報告書を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に提出しました。
発売以来、先生方の多大なるご協力をいただきましたこと、改めて感謝いたします。
10周年を迎えたゼルヤンツについて、これまでの臨床経験を通じて、今後も適切な情報の収集と提供に努めてまいります。
※中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
*2018年12月5日までに調査票が固定された症例(安全性解析対象症例:MTX使用条件適合症例4,470例、全例6,866例)、6ヵ月間観察時の臨床使用成績によるもの
こちらはゼルヤンツの臨床試験の一覧です。
ゼルヤンツの単剤投与について有効性および安全性が検討されている第Ⅲ相試験には、MTXで効果不十分な活動性RA患者を対象としたORAL Strategy試験と、既存のDMARD又は生物学的製剤で効果不十分な活動性RA患者を対象としたORAL Solo試験があります。
ゼルヤンツの承認用法・用量:通常、トファシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与する。
第Ⅲ相試験(DMARD-IR、単剤/海外データ)
多施設共同、実薬・プラセボ対照、無作為化、二重盲検並行群間比較試験
対象
既存のDMARDまたは生物学的製剤で効果不十分の活動性RA患者610例
⽅法
DMARDまたは生物学的製剤の効果不十分な活動性RA患者610例をゼルヤンツ5mg1日2回、ゼルヤンツ10mg1日2回、プラセボ→ゼルヤンツ5mg1日2回、プラセボ→ゼルヤンツ10mg1日2回の4群に4:4:1:1の割合で無作為に割り付けた。3ヵ月時にプラセボ群のすべての患者をゼルヤンツ5mg1日2回または10mg1日2回に切り替えた。
被験者はゼルヤンツまたはプラセボを1日2回(朝・晩)、12時間間隔で6ヵ月間服用した。
主要評価項⽬
3ヵ月時のACR20改善率、3ヵ月時のHAQ-DIスコアのベースラインからの変化量、3ヵ月時のDAS28-4(ESR)<2.6達成率
副次評価項目
ACR20(3ヵ月時を除く)、50、70改善率、HAQ-DIスコアのベースラインからの変化量(3ヵ月時を除く)、DAS28-3(CRP)およびDAS28-4(ESR)に基づく臨床症状の改善、臨床的に意義のある痛み・HAQ-DIスコアの改善を認めた患者の割合、Pain VAS 等
解析計画
プラセボ投与が行われた2つの割り付け群(プラセボ→ゼルヤンツ5mg1日2回群、プラセボ→ゼルヤンツ10mg1日2回群)を併合してプラセボ群としゼルヤンツ5mg1日2回群および10mg1日2回群との有効性の比較を実施した。
国内で承認された内容以外の情報を含んでいます。
ゼルヤンツの承認用法・用量:通常、トファシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与する。
Fleischmann, R. et al.:N Engl J Med 367(6):495, 2012[L20120914175]
社内資料:外国第III相試験(DMARD効果不十分例、単剤、1045試験)ORAL Solo[L20120705083](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
国内で承認された内容以外の情報を含んでいます。
ゼルヤンツの承認用法・用量:通常、トファシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与する。
Fleischmann, R. et al.:N Engl J Med 367(6):495, 2012[L20120914175]
社内資料:外国第III相試験(DMARD効果不十分例、単剤、1045試験)ORAL Solo[L20120705083](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
主要評価項目である投与3ヵ月時のACR20改善率は、プラセボ群26.7%に対しゼルヤンツ5mg1日2回群では59.8%と有意な差を示しました(p<0.001、二項正規近似)。また、副次評価項目である投与3ヵ月時以外のACR20改善率は、投与2週、1、2ヵ月時において、いずれもプラセボ群に対しゼルヤンツ5mg1日2回群で有意な差を示しました(いずれもp<0.001、二項正規近似、各時点のACR20改善率は引用文献に記載がありませんでした)。
本試験の安全性に関する情報は「ORAL Solo試験 安全性」参照
ゼルヤンツ10mg1日2回群の結果は、承認外用量であるため図示していない。
国内で承認された内容以外の情報を含んでいます。
ゼルヤンツの承認⽤法・⽤量:通常、トファシチニブとして1回5mgを1⽇2回経⼝投与する。
Fleischmann, R. et al.:N Engl J Med 367(6):495, 2012[L20120914175]
社内資料:外国第III相試験(DMARD効果不十分例、単剤、1045試験)ORAL Solo[L20120705083](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
主要評価項目である投与3ヵ月時のDAS28-4(ESR)<2.6達成率は、プラセボ群4.39に対しゼルヤンツ5mg1日2回群では5.60で有意な差は示されず、優越性は検証されませんでした。
また、副次評価項目のDAS28-4(ESR)スコアのベースラインからの平均変化量は、投与3ヵ月時でプラセボ群-1.1に対しゼルヤンツ5mg1日2回群では-2.0と有意な差を示しました(p<0.001、二項正規近似)。
主要評価項目である投与3ヵ月時のDAS28-4(ESR)<2.6達成率について、ゼルヤンツ5mg1日2回群のプラセボ群に対する優越性は検証されなかった。
国内で承認された内容以外の情報を含んでいます。
ゼルヤンツの承認⽤法・⽤量:通常、トファシチニブとして1回5mgを1⽇2回経⼝投与する。
Fleischmann, R. et al.:N Engl J Med 367(6):495, 2012[L20120914175]
社内資料:外国第III相試験(DMARD効果不十分例、単剤、1045試験)ORAL Solo[L20120705083](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
主要評価項目である投与3ヵ月時のHAQ-DIスコアのベースラインからの平均変化量は、プラセボ群-0.19に対しゼルヤンツ5mg1日2回群では-0.50と有意な差を示しました(p<0.001、反復測定混合効果モデル)。また、副次評価項目の投与2週、1、2ヵ月時において、いずれもプラセボ群に対しゼルヤンツ5mg1日2回群で有意な差を示しました(投与2週時p=0.004、その他の各時点p<0.001、各時点のHAQ-DIスコアのベースラインからの平均変化量は引用文献に記載がありませんでした)。
本試験の安全性に関する情報は「ORAL Solo試験 安全性」参照
ゼルヤンツ10mg1日2回群の結果は、承認外用量であるため図示していない。
国内で承認された内容以外の情報を含んでいます。
ゼルヤンツの承認⽤法・⽤量:通常、トファシチニブとして1回5mgを1⽇2回経⼝投与する。
Fleischmann, R. et al.:N Engl J Med 367(6):495, 2012[L20120914175]
社内資料:外国第III相試験(DMARD効果不十分例、単剤、1045試験)ORAL Solo[L20120705083](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
副次評価項目であるPain VASのベースラインからの平均変化量は、投与2週、1、2、3ヵ月時において、いずれもプラセボ群に対しゼルヤンツ5mg1日2回群で有意な差を示しました(投与2週時p<0.01、投与1、2、3ヵ月時p<0.0001、反復測定混合効果モデル、Pain VASのベースラインからの平均変化量は、プラセボ群:2週時-6.32、1ヵ月時-9.13、2ヵ月時-8.79、3ヵ月時-10.71、ゼルヤンツ5mg1日2回群:2週時-16.10、1ヵ月時-21.28、2ヵ月時-25.65、3ヵ月時-26.94)。
本試験の安全性に関する情報は「ORAL Solo試験 安全性」参照
ゼルヤンツ10mg1日2回群の結果は、承認外用量であるため図示していない。
MCID(Minimum Clinically Important Differences):臨床的に意義のある最小変化。
Pain VASスコアのベースラインからの変化量が-10mm以上の場合。
国内で承認された内容以外の情報を含んでいます。国内での承認審査過程で評価された試験成績を含んでいます。
ゼルヤンツの承認用法・用量:通常、トファシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与する。
Strand, V. et al.:Arthritis Res Ther 17:307, 2015[L20151109184]
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
こちらは参考情報です。
その他の評価項目である3ヵ月時のFACIT-Fの臨床的に意義のある改善が認められた患者の割合は、プラセボ群45.0%に対しゼルヤンツ5mg1日2回群では61.4%と有意な差を示しました(p<0.05、二項正規近似)。
その他の評価項目である3ヵ月時のSF-36 PCSの臨床的に意義のある改善が認められた患者の割合は、プラセボ群43.9%に対しゼルヤンツ5mg1日2回群では68.0%と有意な差を示しました(p<0.0001、二項正規近似)。
本試験の安全性に関する情報は「ORAL Solo試験 安全性」参照
※:MCID(Minimum Clinically Important Differences):臨床的に意義のある最小変化。FACIT-F、SF-36 PCSスコアのベースラインからの変化量がそれぞれ4、2.5以上の場合。
ゼルヤンツ10mg1日2回群(N=245)の結果は、承認外用量であるため図示していない。
承認された内容以外の情報を含んでいます。国内での承認審査過程で評価された試験成績を含んでいます。
ゼルヤンツの承認用法・用量:通常、トファシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与する。
Strand, V. et al.:Arthritis Res Ther 17:307, 2015[L20151109184]より改変
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
国内で承認された内容以外の情報を含んでいます。
ゼルヤンツの承認用法・用量:通常、トファシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与する。
Fleischmann, R. et al.:N Engl J Med 367(6):495, 2012[L20120914175]
社内資料:外国第III相試験(DMARD効果不十分例、単剤、1045試験)ORAL Solo[L20120705083](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
ゼルヤンツは、1回5mgの錠剤を1錠、1日2回経口投与します。
*1:ORAL Solo 試験 3ヵ月時のACR20 改善率 主要評価項目
*2:ORAL Solo 試験 3ヵ月時のHAQ-DIスコアのベースラインからの変化量 主要評価項目
*3:ORAL Solo試験 3ヵ月時のDAS28-4(ESR)<2.6達成率 主要評価項目
*4:ORAL Solo試験 全測定時点のDAS28-4(ESR)スコアの変化量 副次評価項目
1)Fleischmann, R. et al.:N Engl J Med 367(6):495, 2012[L20120914175]
2)社内資料:外国第III相試験(DMARD 効果不十分例、単剤、1045 試験)ORAL Solo[L20120705083](承認時評価資料)
3)ゼルヤンツ錠5mg 電子添文2022年12月改訂(第5版)
安全性
投与開始から3ヵ月時までに、ゼルヤンツ群全体で488例中140例(28.7%)、プラセボ群で122例中33例(27.0%)に因果関係を否定できない有害事象が認められた。おもな有害事象は、ゼルヤンツ5mg1日2回群では、頭痛8例(3.3%)、下痢6例(2.5%)、便秘5例(2.1%)、上気道感染5例(2.1%)等であり、10mg1日2回群では、血中クレアチンホスホキナーゼ増加10例(4.1%)、頭痛8例(3.3%)、悪心6例(2.4%)等であった。また、プラセボ群では、浮動性めまい4例(3.3%)、悪心3例(2.5%)、胃炎3例(2.5%)、上気道感染3例(2.5%)等であった。重篤な有害事象は、ゼルヤンツ群全体で1例(肝膿瘍)に認められ、プラセボ群では報告されなかった。有害事象による中止は、ゼルヤンツ群全体で7例(眼乾燥・口内乾燥・咽喉乾燥、便秘、肝膿瘍、貧血、帯状疱疹、悪心各1例等)、プラセボ群で3例(腹部不快感、トランスアミナーゼ上昇、舌痛各1例)であった。3ヵ月~6ヵ月時までに、ゼルヤンツ群全体で488例中94例(19.2%)、プラセボ群→ゼルヤンツ群全体で122例中24例(19.6%)に因果関係を否定できない有害事象が認められた。おもな有害事象は、ゼルヤンツ5mg1日2回群では、上気道感染4例(1.6%)、消化不良3例(1.2%)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加2例(0.8%)等であり、ゼルヤンツ10mg1日2回群では、尿路感染5例(2.0%)、上気道感染4例(1.6%)、貧血3例(1.2%)等であった。また、プラセボ群→ゼルヤンツ5mg1日2回群では、上気道感染2例(3.3%)、不安2例(3.3%)、蜂巣炎1例(1.6%)等であり、プラセボ群→ゼルヤンツ10mg1日2回群では、血中クレアチンホスホキナーゼ増加2例(3.3%)、頭痛2例(3.3%)、皮膚乾燥1例(1.6%)等であった。重篤な有害事象は、ゼルヤンツ群全体で2例(血小板減少症、結核性胸膜各1例)に認められ、プラセボ群→ゼルヤンツ群全体では報告されなかった。有害事象による中止は、ゼルヤンツ群全体で3例(肝毒性、血小板減少症、結核性胸膜炎各1例)、プラセボ群→ゼルヤンツ群全体では報告されなかった。本試験期間中に、ゼルヤンツ10mg1日2回群で1例(心停止・高カリウム血症)の死亡が報告された。
国内で承認された内容以外の情報を含んでいます。
本邦で承認された用法・用量:通常、トファシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与する。
注)併用薬のMTXは各地域の規制で定められた用法・用量によるもので、本邦での承認用法・用量とは異なる。
本邦におけるMTXの承認用量(関節リウマチ):通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし、1週間単位の投与量を1回又は2〜3回に分割して経口投与する。分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する。1回又は2回分割投与の場合は残りの6日間、3回分割投与の場合は残りの5日間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。なお、患者の年齢、症状、忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、1週間単位の投与量として16mgを超えないようにする。
本コンテンツは、日本国内の医療・医薬関係者を対象に、日本国内で医療用医薬品を適正にご使用いただくため、日本国内の承認に基づき作成されています。日本の医療機関・医療提供施設等に所属し、医療行為に携っている方を対象としており、日本国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
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