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~海外市販後安全性臨床試験と米国のReal World Evidence~
「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等については製品情報(電子添文等)をご参照ください。
RCT は、評価のバイアスを避け、客観的に治療効果を評価した エビデンスを提供します。
RWE は、合併症または治療歴、薬剤の治療状況、広範な医療環境など多様な背景をもつ患者集団が対象となり、RCT を補完 できるデータです。
RCTとRWEの両側面を持ったゼルヤンツのデータが、先生の 処方の一助にしていただけたら幸いです。
原著論⽂として学術雑誌に掲載され、査読を受けた試験成績です。
▶ 4部:bDMARDs未治療または既治療のMTX効果不⼗分な活動性RA患者の治療におけるゼルヤンツとトシリズマブの比較
1. Choy, E. H.:Rheumatology(Oxford)58(6):953, 2019
2. Danese, S. et al.:Gut 68(10):1893, 2019
3. Katkade, V. B. et al.:J Multidiscip Healthc 11:295, 2018
4. Garrison, L. P. Jr. et al.:Value Health. 10(5):326, 2007
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
国内で承認された内容以外の情報を含んでいます。
本邦で承認された⽤法・⽤量:通常、トファシチニブとして1回5mgを1⽇2回経⼝投与する。
注)併⽤薬のMTXは各地域の規制で定められた⽤法・⽤量によるもので、本邦での承認⽤法・⽤量とは異なる。
本邦におけるMTXの承認⽤量(関節リウマチ):通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし、1週間単位の投与量を1回⼜は2〜3回に分割して経⼝投与する。分割して投与する場合、初⽇から2⽇⽬にかけて12時間間隔で投与する。1回⼜は2回分割投与の場合は残りの6⽇間、3回分割投与の場合は残りの5⽇間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。なお、患者の年齢、症状、忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、1週間単位の投与量として16mgを超えないようにする。
国内データ
試験デザイン
⽣物学的製剤(bDMARDs)未治療例とbDMARDs効果不⼗分例におけるゼルヤンツとトシリズマブの有効性を⽐較検討した多施設プロスペクティブコホート研究
⽬的
メトトレキサート(MTX)効果不⼗分な活動性関節リウマチ(RA)患者で bDMARDs未治療の患者(bDMARDs未治療群)およびbDMARDs効果不⼗分の患者(bDMARDs既治療群)におけるゼルヤンツとトシリズマブの有効性を⽐較する。
対象
MTXで3ヵ⽉以上治療するも⼗分な改善(治療開始時の疾患活動性の50%未満)が認められなかった⾼疾患活動性または中等度疾患活動性(CDAI>10)のRA患者464例[ゼルヤンツ群247例(bDMARDs未治療群93例、bDMARDs既治療群154例)、トシリズマブ群217例(bDMARDs未治療群122例、bDMARDs既治療群95例)]。
bDMARDs既治療群は、TNFα阻害剤(インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、ゴリムマブ、セルトリズマブ ペゴル)、IL-6阻害剤(トシリズマブ)、T細胞選択的共刺激調節剤(アバタセプト)を含む1剤以上のbDMARDsに効果不⼗分な患者(有効性の⽋如または消失)と定義した。
方法
2013年8⽉〜2019年2⽉までに患者をプロスペクティブに登録し、ゼルヤンツは5mg1⽇2回または1⽇1回を承認⽤量に従い経⼝投与、トシリズマブは8mg/kgを4週間隔で点滴静注または162mgを隔週⽪下投与した。ゼルヤンツまたはトシリズマブの治療選択後、患者が拒否しない限り、MTX(4-14mg/⽇)を継続または再開した。プレドニゾロン(PSL、2-7.5mg/⽇)の併⽤は、担当医師の判断に委ねられた。bDMARDs未治療群とbDMARDs既治療群に分けて、投与開始後12ヵ⽉時(または治療中⽌時)までの有効性および安全性を⽐較検討した。
評価項目
12ヵ月時の治療アウトカム(CDAIの平均、12ヵ月時の治療アウトカム、12ヵ月時のCDAIの改善度[CDAI85、CDAI70、CDAI50、MCIDに基づくCDAI改善]、中止率、CDAIの変化)
解析計画
治療選択バイアスを調整するために、置換なしの最近傍マッチングを⽤いて、ゼルヤンツで治療開始した患者とトシリズマブで治療開始した患者に1:1の傾向スコア(PS)マッチングを⾏った。PSマッチング後のベースライン時の患者背景および12ヵ⽉時のCDAIに基づく改善は、連続変数については対応のあるt検定、カテゴリ変数についてはMcNemar検定を⽤いて⽐較した。治療群間の共変量のバランスは、標準化差の絶対値(ASD)で評価した(ASD<0.10)。12ヵ⽉時のCDAIに基づく改善度の分類について、試験脱落例はノンレスポンダーとして補完するNRI(non-responderimputation)法を⽤いた。12ヵ⽉時のCDAIの⽐較について、試験脱落例の⽋測値はベースライン時の評価値で補完するBOCF(baseline observation carried forward)法を⽤いた。CDAIに基づく各改善に対する治療効果のトシリズマブ群に対するゼルヤンツ群の調整済みオッズ⽐(OR)および95%信頼区間(CI)は、条件付き多変量ロジスティック回帰分析により算出した。
CDAI(clinical disease activity index)=疾患活動性指標、IL-6(interleukin-6)=インターロイキン-6、MCID(minimum clinically important difference)=臨床的に意義のある最⼩変化、TNF(tumor necrosis factor)=腫瘍壊死因⼦
Mori, S. et al.:RMD Open 7(2):e001601, 2021
*:bDMARDs未治療群と bDMARDs既治療群に分けて、傾向スコアマッチング後のトファシチニブ群とトシリズマブ群のベースライン時の患者背景を、連続変数は対応のある t検定、カテゴリ変数は McNemar検定を⽤いて⽐較した。
†:ASD<0.10 は、トファシチニブ群とトシリズマブ群の間でベースライン時の患者背景がよく均衡していることを⽰す。
‡:病期の進⾏はSteinbrockerのStage分類IIIおよびIVと定義した。
§:MTXとPSLの併⽤は治療法の選択後に決定されたため、傾向スコアマッチングには使⽤されなかった。
抗CCP抗体(anti-cyclic citrullinated peptide antibodies)=抗シトルリン化ペプチド抗体、ASD(absolute standardised difference)=標準化差の絶対値、bDMARDs(biological DMARDs)=⽣物学的製剤、CDAI(clinical disease activity index)=疾患活動性指標、MTX(methotrexate)=メトトレキサート、PS(propensity score)=傾向スコア、PSL(prednisolone)=プレドニゾロン、RA(rheumatoid arthritis)=関節リウマチ、SD(standard deviation)=標準偏差
Reproduced from RMD Open., Mori S, Urata Y, Yoshitama T, Ueki Y., 7(2):e001601., 2021.
with permission from BMJ Publishing Group Ltd.
*:bDMARDs未治療群とbDMARDs既治療群に分けて、傾向スコアマッチング後のトファシチニブ群とトシリズマブ群のベースライン時の患者背景を、連続変数は対応のあるt検定、カテゴリ変数はMcNemar検定を⽤いて⽐較した。
†:ASD<0.10は、トファシチニブ群とトシリズマブ群の間でベースライン時の患者背景がよく均衡していることを⽰す。
‡:病期の進⾏はSteinbrockerのStage分類IIIおよびIVと定義した。
§:MTXとPSLの併⽤は治療法の選択後に決定されたため、傾向スコアマッチングには使⽤されなかった。
抗CCP抗体(anti-cyclic citrullinated peptide antibodies)=抗シトルリン化ペプチド抗体、ASD(absolute standardised difference)=標準化差の絶対値、bDMARDs(biological DMARDs)=⽣物学的製剤、CDAI(clinical disease activity index)=疾患活動性指標、MTX(methotrexate)=メトトレキサート、PS(propensity score)=傾向スコア、PSL(prednisolone)=プレドニゾロン、RA(rheumatoid arthritis)=関節リウマチ、SD(standard deviation)=標準偏差
Reproduced from RMD Open.,Mori S,Urata Y,Yoshitama T,Ueki Y.,7(2):e001601.,2021.
with permission from BMJ Publishing Group Ltd.
*:トシリズマブ群に対するトファシチニブ群の未調整OR(95%CI)は、単⼀条件付きロジスティック回帰分析により、CDAIに基づく改善指標ごとに決定した。 トシリズマブ群に対するトファシチニブ群のOR(95%CI)は、条件付き多変量ロジスティック回帰分析を⽤いて、MTX併⽤およびPSL併⽤を調整した。
†:12ヵ⽉の治療期間中に CDAIが 50%以上(CDAI50)、70%以上(CDAI70)、85%以上(CDAI85)改善し、維持したことと定義した。
‡:⾼疾患活動性で試験を開始した患者は、12ヵ⽉時の CDAIの減少>12、中等度疾患活動性で試験を開始した患者は、12ヵ⽉時のCDAIの減少>6と定義した。
bDMARDs(biological DMARDs)=⽣物学的製剤、CDAI(clinical disease activity index)=疾患活動性指標、CI(confidence interval)=信頼区間、MCID(minimum clinically important difference)=臨床的に意義のある最⼩変化、MTX(methotrexate)=メトトレキサート、OR(odds ratio)=オッズ⽐、PSL(prednisolone) =プレドニゾロン
Reproduced from RMD Open., Mori S, Urata Y, Yoshitama T, Ueki Y., 7(2):e001601., 2021.
with permission from BMJ Publishing Group Ltd.
*事象名横の括弧内の数字はイベントの数を表す。
観察期間中に死亡例は認められなかった。
※:有害事象の頻度、おもな有害事象、死亡例以外の重篤な有害事象については⽂献に記載なし。
bDMARDs(biological DMARDs)=⽣物学的製剤
Mori, S. et al.:RMD Open 7(2):e001601, 2021より改変
TNF(tumor necrosis factor)=腫瘍壊死因⼦
Mori, S. et al.:RMD Open 7(2):e001601, 2021
安全性
投与開始から12ヵ⽉時までに、有害事象による投与中⽌例は、ゼルヤンツ群で22例(bDMARDs未治療群7例、bDMARDs既治療群15例)、トシリズマブ群で12例(bDMARDs 未治療群7例、bDMARDs 既治療群5例)であった。観察期間中に死亡例は認められなかった。
※:有害事象の頻度、おもな有害事象、死亡例以外の重篤な有害事象については⽂献に記載なし。
原著論⽂として学術雑誌に掲載され、査読を受けた試験成績です。
本邦で承認された⽤法・⽤量:通常、トファシチニブとして1回5mgを1⽇2回経⼝投与する。
本邦におけるMTXの承認⽤量(関節リウマチ):通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし、1週間単位の投与量を1回⼜は2〜3回に分割して経⼝投与する。分割して投与する場合、初⽇から2⽇⽬にかけて12時間間隔で投与する。1回⼜は2回分割投与の場合は残りの6⽇間、3回分割投与の場合は残りの5⽇間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。なお、患者の年齢、症状、忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、1週間単位の投与量として16mgを超えないようにする。
▶ 4部:bDMARDs未治療または既治療のMTX効果不⼗分な活動性RA患者の治療におけるゼルヤンツとトシリズマブの比較
本コンテンツは、日本国内の医療・医薬関係者を対象に、日本国内で医療用医薬品を適正にご使用いただくため、日本国内の承認に基づき作成されています。日本の医療機関・医療提供施設等に所属し、医療行為に携っている方を対象としており、日本国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
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