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5-ASA製剤は、5-アミノサリチル酸を有効成分とする薬剤で、腸の炎症を抑えるIBD治療の基本薬です。5-ASAは腸管粘膜で、活性酸素抑制、アラキドン酸カスケード阻害、サイトカイン抑制などの抗炎症作用を発揮します。
5-ASA経口製剤にはメサラジン(経口、坐剤、注腸製剤)とサラゾスルファピリジン(経口、坐剤)があります。サラゾスルファピリジンは、5-ASAとスルファピリジンをアゾ結合させたプロドラッグで、大腸内で腸内細菌により分解され、5-ASAを放出します(図)。5-ASAの濃度は大腸で高くなり、大腸病変に効果を発揮します。5-ASAと同時に放出されるスルファピリジンが副作用の原因となるため、このスルファピリジンを含まないメサラジン製剤が開発されました。5-ASAは小腸で吸収されやすく、そのまま投与しても大腸の炎症部位まで十分な量が届きません。そのため、メサラジン製剤では5-ASAの放出を制御できる徐放性製剤を使用します。日本で使用できる5-ASAの徐放性製剤には時間依存型徐放性製剤とpH依存型徐放性製剤の2種類があります(図)。
日比 紀文ほか編:“第4章3 潰瘍性大腸炎・クローン病の治療” IBDを日常診療で診る(第1版)羊土社:115, 2017
日比 紀文監修:“第4章 IBDの内科治療”チーム医療につなげる!IBD診療ビジュアルテキスト(第1版)羊土社:103, 2016
医療情報科学研究所編:“炎症性腸疾患(IBD)”薬がみえる vol.3(第1版)メディックメディア:43, 2016より作成
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