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~海外市販後安全性臨床試験と米国のReal World Evidence~
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「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等については製品情報(電子添文等)をご参照ください。
▶ 2部:ゼルヤンツ再審査報告書(PMS3年のデータ)
1.Choy,E.H.:Rheumatology(Oxford) 58(6):953,2019 2.Danese,S.et al.: Gut 68(10):1893,2019
3.Katkade,V.B.et al.:J Multidiscip Healthc 11:295,2018 4.Garrison,L.P.Jr.et al.:Value Health.10(5):326,2007
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
ゼルヤンツ錠5mg 再審査報告書 独立行政法人医薬品医療機器総合機構
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/3999034 (2024/7/5 参照)
本調査において、安全性解析対象集団は、本剤群の予定観察期間が6カ月間または3年間で、本剤の投与が少なくとも1回確認され、本剤の安全性評価が可能であった患者7,021例とした。なお、本調査は全例調査であり、安全性解析対象集団に「8mg/週を超えるMTX を3カ月以上継続投与」の条件を満たさない症例が含まれるため、安全性解析対象集団のうち、8mg/週を超えるMTX を3カ月以上継続使用しても、コントロール不良であった関節リウマチ患者4,574例を適合安全性解析対象集団とした。安全性解析対象集団及び適合安全性解析対象集団おける副作用発現割合及び発現件数は、それぞれ42.3%(2,972/7,021例)、5,311件及び41.6%(1,903/4,574例)、3,384件であった。本調査結果は、承認時までの国内第Ⅲ相長期投与試験における副作用発現割合87.0%(301/346例)を上回ることはなく、また、副作用の種類に著しい違いはなかったことから、安全性について特記すべき事項はないと考えた。
本調査における主な副作用の発現状況(MedDRA 基本語別で、安全性解析対象集団又は適合安全性解析対象集団のいずれかで0.5%以上)は「特定使用成績調査における主な副作用の発現状況」のとおりであり、両集団における副作用発現割合に大きな差はなかった。
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MedDRA/J version 23.1
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重点調査項目とした副作用について、安全性解析対象集団及び適合安全性解析対象集団における発現状況は表3のとおりであり、両集団における副作用発現割合に大きな差はなかった。承認時までの国内外臨床試験における副作用発現割合1)と比較して、重篤な感染症(帯状疱疹、結核を含む)、リンパ球数減少およびリンパ球減少症、悪性腫瘍(リンパ腫を含む)、消化管穿孔及び間質性肺炎の発現割合は高かった。患者背景等が異なるため結果解釈には注意が必要であるものの、本調査において発現割合が高くなった要因として、投与期間が本調査の3年間に対して国内外臨床試験では6~24カ月間と投与期間の差があった点や、併用薬等の影響も考えられた。各重点調査項目について、副作用発現状況、患者背景別リスク比に関して検討した結果、副作用発現に影響を及ぼす新たなリスク要因は特定されなかった。また重点調査項目のうち、重篤な感染症及び悪性腫瘍について、発現リスクに関して対照群と比較検討を行った結果、対照群と比較して、本剤群の重篤な感染症及び悪性腫瘍の発現リスクが高い傾向2)がみられた。
しかしながら、100人年当たりの重篤な感染症の発現率は、本剤群6.86に対し、他の関節リウマチ薬の製造販売後の調査における発現率は、4.07(トシリズマブ(遺伝子組換え))、8.56(インフリキシマブ(遺伝子組換え))と報告されており、他の製造販売後調査で見られた発現率の範囲内であった。また、悪性腫瘍(リンパ腫を含む)の標準化罹患比[95%信頼区間]は、本剤群1.38[1.16,1.62]であり、これまでに報告されている関節リウマチ患者における悪性腫瘍の標準化罹患比の範囲(0.31~1.52、Arthritis ResTher 2015; 17: 212-221)を超えるものではなかった。なお、承認時までの国内臨床試験の発現割合より高かった重点調査項目については、いずれも添付文書の「使用上の注意」で既に注意喚起をしていることから、新たな対応は不要と考えた。
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重点調査項目の定義は別添参照
MedDRA/J version 23.1
なお、死亡リスクに関しても、対照群と比較して本剤群で高い傾向3)がみられた。解析時点で死亡数は少なく評価には限界があるが、本剤群の標準化死亡比[95%信頼区間]は1.02[0.82,1.26]であり、一般的な日本人集団と大きな違いはなかった。
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再審査期間中に収集した副作用4)のうち、再審査申請時点の添付文書の「使用上の注意」から予測できる重篤な副作用は1,208例1,552件、予測できない(以下、「未知の」)重篤な副作用は407例522件、未知の非重篤な副作用は1,053例1,334件であった。なお、感染症報告はなかった。
再審査申請時点における未知の副作用のうち、MedDRA基本語別で総数20件以上の副作用の発現状況は表4のとおりであった。死亡(22例22件)及び表9に記載のない突然死(3例3件)について、死亡直前の患者状態の情報不足や死亡前に感染症や血栓症等の疾患の発症が報告された患者も含まれていること、高齢患者での報告が多い傾向があることから、本剤以外の要因(患者素因、併用薬等)の影響も否定できず、本剤と死亡との関連性は特定できなかった。その他の未知の副作用についても、「使用上の注意」の改訂等の対応を検討した結果、いずれも原疾患、併用薬等の複数の要因が考えられる症例、あるいは情報不足により評価が困難な症例等で、本剤との関連性が明確な症例の集積が認められていないことから、現時点では「使用上の注意」への追記は行わず、今後も同様の情報収集に努めることとした。
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※同一症例において基本語が同一となる副作用等が複数回発現した場合の「件数」は1 件として集計した
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特定使用成績調査における有効性について、安全性の検討と同様、有効性解析対象集団(6,817例)及び適合有効性解析対象集団(4,455例、「適合」の定義は4.1.1項参照)の2つの集団にて検討した。各集団におけるSDAI5)及びDAS28-ESR6)の測定値及びその変化量の推移は表5及び表6のとおりであった。両指標とも、投与開始12カ月後まで経時的に低下し、その後は、微減若しくはほぼ一定で推移し、長期投与によっても有効性の減弱は認められなかった。承認時までの国内臨床試験ではACR改善率7)を指標としているため、直接比較は困難なものの、本調査において、いずれの集団でもSDAI及びDAS28-ESRの両指標における改善が認められたことから、本剤の有効性に特段の問題はないと判断した。
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国内において、再審査期間中に緊急安全性情報の配布、本剤の回収、出荷停止等の重大な措置は実施していない。
再審査期間中に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、「機構」)に報告した外国の措置報告は26件、研究報告は2件であった。その概要は表7のとおりであり、情報入手時点で添付文書改訂の要否等に係る検討を行った。措置報告の⑧について、再審査期間満了後に入手した企業中核データシート(以下、「CCDS」)改訂情報(心血管系事象リスク因子を有する50歳以上の関節リウマチ患者を対象に実施されたA3921133試験結果の最終解析結果から、主要評価項目である主要な心血管系事象及び悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現率について、腫瘍壊死因子(以下、「TNF」)阻害剤群に対するトファチニブ群の非劣性が検証されなかったこと、並びに心血管系事象及び悪性腫瘍ともに、TNF阻害剤に比較し本剤で発現リスクが高い傾向が示唆されたこと)を元に、再審査申請後の令和3年10月に、本剤の「使用上の注意」の重大な副作用に心血管系事象及び悪性腫瘍を追記するとともに、これらに関連する他の項目(警告、効能又は効果に関連する注意、重要な基本的注意、特定の背景を有する患者に関する注意、その他の注意及び臨床成績の項)を修正し、さらなる注意喚起を行った。なお、現時点で対応中の事案はない。
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https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/3999034 (2024/7/5 参照)
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機構は、以上の製造販売後調査等の結果及び申請者の検討結果等を踏まえ、現時点で新たな対応の必要はないと判断した。
また、関節リウマチに係わる承認条件(2)については、適切な製造販売後調査が実施され、本剤の安全性について十分に検討され、感染症等の発現を含めた長期投与時の安全性及び有効性について検討されたことから、承認条件は満たされたものと判断した。
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https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/3999034 (2024/7/5 参照)
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本邦におけるMTXの承認用量(関節リウマチ):
通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし、1週間単位の投与量を1回又は2〜3回に分割して経口投与する。分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する。1回又は2回分割投与の場合は残りの6日間、3回分割投与の場合は残りの5日間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。なお、患者の年齢、症状、忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、1週間単位の投与量として16mgを超えないようにする。
▶ 2部:ゼルヤンツ再審査報告書(PMS3年のデータ)
本コンテンツは、日本国内の医療・医薬関係者を対象に、日本国内で医療用医薬品を適正にご使用いただくため、日本国内の承認に基づき作成されています。日本の医療機関・医療提供施設等に所属し、医療行為に携っている方を対象としており、日本国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
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