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~海外市販後安全性臨床試験と米国のReal World Evidence~
「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等については製品情報(電子添文等)をご参照ください。
臨床試験として「ORAL Scan試験」、「ORAL Step試験」、 実臨床では「RA患者におけるJAK阻害剤の有効性に関する日本のリアルワールドエビデンス(ANSWER cohort study)」についてご紹介いたします。 「RA患者におけるJAK阻害剤の有効性に関する日本のリアルワールドエビデンス(ANSWER cohort study)」は、RCTの補助データとして掲載しています。
▶ 1部:第III相試験ORAL Scan試験
第Ⅲ相国際共同試験(MTX-IR、MTX併⽤/海外および国内データ)
第Ⅲ相、多施設共同、プラセボ対照、無作為化、⼆重盲検、並⾏群間⽐較試験
対象
MTXによる基礎療法を受けている活動性RA患者797例(⽇本⼈118 例を含む)
方法
ゼルヤンツ5mg、10mg、プラセボ群に無作為に割り付け、MTX(15mg/週以上25mg/週以下※1)併⽤下で1⽇2回2年間経⼝投与した。プラセボ群のNon-responder※2は3ヵ⽉時に盲検下でゼルヤンツ5mgまたは10mg1⽇2回に切り替え、6ヵ⽉時にはプラセボ群のすべての患者をゼルヤンツ5mgまたは10mg1⽇2回に切り替えた。
主要評価項目
6ヵ⽉時のACR20改善率、6ヵ⽉時のmTSS※3のベースラインからの変化量、3ヵ⽉時のHAQ-DIのベースラインからの変化量、6ヵ⽉時のDAS28-4(ESR)<2.6達成率
副次評価項目
ACR20(6ヵ⽉時を除く)、50、70改善率、圧痛・疼痛関節数、DAS28-4(ESR)、HAQ-DI、6ヵ⽉時のPain VAS(ACRコアセット)のベースラインからの変化量 等
解析計画
プラセボ投与が⾏われた2つの割り付け群(プラセボ→ゼルヤンツ5mg1⽇2回群、プラセボ→ゼルヤンツ10mg1⽇2回群)を併合してプラセボ群としゼルヤンツ5mg1⽇2回群および10mg1⽇2回群との有効性の⽐較を実施した。
承認時に評価されたサブグループ解析として⽇本⼈サブグループでのデータを検討した。
本試験では、ACR20改善率、mTSSのベースラインからの変化量、HAQ-DIのベースラインからの変化量、DAS28-4(ESR)<2.6達成率の順に解析を⾏うこととし、上位ステップで有意差が認められない場合に以降の解析を⾏わないステップダウン法を⽤いた。全集団の解析でmTSSのゼルヤンツ5mg1⽇2回+MTX群とプラセボ+MTX群との対⽐較において有意差が認められなかったことから、それ以降の検定には進めなかった。
※1 MTXは各地域の規制で定められた⽤法・⽤量によるもので、本邦の承認⽤法・⽤量とは異なります。
※2 Non-responder:圧痛/疼痛関節数および腫脹関節数の両⽅で20%以上の改善が認められなかった患者
※3 ゼルヤンツは関節の構造的損傷の防⽌の適応なし
van der Heijde, D. et al.:Arthritis Rheum 65(3):559, 2013[L20130314182]
社内資料:国際共同試験(MTX効果不十分例、MTX併用、1044試験)ORAL Scan[L20120705080](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
プラセボ投与が⾏われた2つの割り付け群(プラセボ→ゼルヤンツ5mg1⽇2回群、プラセボ→ゼルヤンツ10mg1⽇2回群)を併合してプラセボ群としゼルヤンツ5mg1⽇2回群および10mg1⽇2回群との有効性の⽐較を実施した。
1044試験では、承認時に評価されたサブグループ解析として⽇本⼈サブグループでのデータを検討した。
複数の主要評価項⽬についてゼルヤンツ2⽤量群とプラセボ群との対⽐較における検定の多重性を調整するため、ゲート・キーピング法またはステップダウン法に基づく逐次的な検定⼿順を⽤いた。各対⽐較の検定の有意⽔準はすべて両側5%とし、当該評価項⽬のゼルヤンツ10mg1⽇2回群においては、⼀段上位の評価項⽬のゼルヤンツ10mg1⽇2回群が統計学的に有意であった場合に限り対⽐較を実施する⼿順とし、当該評価項⽬のゼルヤンツ5mg1⽇2回群においては、同⼀評価項⽬のゼルヤンツ10mg1⽇2回群および⼀段上位の評価項⽬の5mg1⽇2回群が統計学的に有意であった場合に限り対⽐較を実施する⼿順とした。1044試験での検定⼿順は、ACR20改善率→mTSSのベースラインからの変化量→HAQ-DIのベースラインからの変化量→DAS28-4(ESR)<2.6達成率とした。1044試験以外での検定⼿順は、ACR20改善率→HAQ-DIのベースラインからの変化量→DAS28-4(ESR)<2.6達成率とした。
1)van der Heijde, D. et al.:Arthritis Rheum 65(3):559, 2013[L20130314182]
2)van Vollenhoven, R. F. et al.:N Engl J Med 367(6):508, 2012[L20120914072]
3)Burmester, G. R. et al.:Lancet 381(9865):451, 2013[L20130212001]
4)Fleischmann, R. et al.:N Engl J Med 367(6):495, 2012[L20120914175]
5)Kremer, J. et al.:Ann Intern Med 159(4):253, 2013[L20131011112]
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
van der Heijde, D. et al.:Arthritis Rheum 65(3):559, 2013[L20130314182]
社内資料:国際共同試験(MTX効果不十分例、MTX併用、1044試験)ORAL Scan[L20120705080](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
コックス比例ハザードモデルに基づく。
安全性解析対象集団。観察期間は治療開始から最終投与の60日後までとした。
*:トファシチニブ10mg1日2回投与に割り付けられ5mg1日2回投与に減量された症例は、トファシチニブ10mg1日2回群に集計した。
PY(patient-years)=人・年、C(I confidence interval)=信頼区間、HR(hazard ratio)=ハザード比、IR(incidence rate)=発現率、n(number of patients with a first event within the risk period)=観察期間中に最初のイベントが発生した患者数、N(number of patients in each treatment group in the safety population)=安全性 解析集団における各治療群の患者数、MACE(major adverse cardiovascular events)=主要な心血管系有害事象、ORAL(Oral Rheumatoid Arthritis Trial)=ORAL試験、TNF(tumor necrosis factor)=腫瘍壊死因子
Ytterberg, S. R. et al.:N Engl J Med 386(4):316, 2022
判定されたMACEにおける年齢別の主要評価項目のサブグループ解析の発現率は、65歳以上では、TNF阻害剤群0.91(95% CI:0.50-1.52)に対しトファシチニブ併合群1.63(95% CI:1.20-2.18)でした[HR 1.79(95% CI:0.99-3.26)]。65歳未満では、TNF阻害剤群0.66(95% CI:0.42-0.99)に対しトファシチニブ併合群0.72(95% CI:0.54-0.94)でした[HR 1.10(95% CI:0.67-1.79)]。
観察期間は治療開始から最終投与の60日後までとしました。
トファシチニブ 10mg1日2回投与群は、2019年2月の試験デザイン変更により5mg1日2回投与に切り替えられた被験者が含まれます。
本試験の安全性に関する情報は「ORAL Scan試験 安全性」参照
ゼルヤンツ10mg1⽇2回+MTX群の結果は、承認外⽤量であるため図⽰していない。
van der Heijde, D. et al.:Arthritis Rheum 65(3):559, 2013[L20130314182]より作図
社内資料:国際共同試験(MTX効果不十分例、MTX併用、1044試験)ORAL Scan[L20120705080](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
本試験の安全性に関する情報は「ORAL Scan試験 安全性」参照
ゼルヤンツ10mg1⽇2回+MTX群の結果は、承認外⽤量であるため図⽰していない。
MCID(Minimum Clinically Important Differences):臨床的に意義のある最⼩変化。HAQ-DIスコアのベースラインからの変化量がー0.22mm以上の場合。
注)本試験では、ACR20改善率、mTSSのベースラインからの変化量、HAQ-DIのベースラインからの変化量、DAS28-4(ESR)<2.6達成率の順に解析を⾏うこととし、上位ステップで有意差が認められない場合に以降の解析を⾏わないステップダウン法を⽤いた。全集団の解析でmTSSのゼルヤンツ5mg1⽇2回+MTX群とプラセボ+MTX群との対⽐較において有意差が認められなかったことから、それ以降の検定には進めなかった。
van der Heijde, D. et al.:Arthritis Rheum 65(3):559, 2013[L20130314182]
社内資料:国際共同試験(MTX効果不十分例、MTX併用、1044試験)ORAL Scan[L20120705080](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
本試験の安全性に関する情報は「ORAL Scan試験 安全性」参照
※Non-responderとして3ヵ⽉時に⼆重盲検下でゼルヤンツ5mg1⽇2回または10mg1⽇2回に切り替えた症例を含む。
ゼルヤンツ10mg1⽇2回+MTX群の結果は、承認外⽤量であるため図⽰していない。
注)本試験では、ACR20改善率、mTSSのベースラインからの変化量、HAQ-DIのベースラインからの変化量、DAS28-4(ESR)<2.6達成率の順に解析を⾏うこととし、上位ステップで有意差が認められない場合に以降の解析を⾏わないステップダウン法を⽤いた。全集団の解析でmTSSのゼルヤンツ5mg1⽇2回+MTX群とプラセボ+MTX群との対⽐較において有意差が認められなかったことから、それ以降の検定には進めなかった。
社内資料:国際共同試験(MTX効果不十分例、MTX併用、1044試験)ORAL Scan[L20120705080](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
本試験の安全性に関する情報は「ORAL Scan試験 安全性」参照
ゼルヤンツ10mg1⽇2回+MTX群の結果は、承認外⽤量であるため図⽰していない。
van der Heijde, D. et al.:Arthritis Rheum 65(3):559, 2013[L20130314182]より作成
社内資料:国際共同試験(MTX効果不十分例、MTX併用、1044試験)ORAL Scan[L20120705080](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
本試験の安全性に関する情報は「ORAL Scan試験 安全性」参照
ゼルヤンツ10mg1⽇2回+MTX群の結果は、承認外⽤量であるため図⽰していない。
社内資料:国際共同試験(MTX効果不⼗分例、MTX併⽤、1044試験)ORAL Scan[L20120705080][承認時評価資料]
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
本試験の安全性に関する情報は「ORAL Scan試験 安全性」参照
※10例未満であるため結果は図⽰していない。
ゼルヤンツ10mg1⽇2回+MTX群の結果は、承認外⽤量であるため図⽰していない。
注)本試験では、ACR20改善率、mTSSのベースラインからの変化量、HAQ-DIのベースラインからの変化量、DAS28-4(ESR)<2.6達成率の順に解析を⾏うこととし、上位ステップで有意差が認められない場合に以降の解析を⾏わないステップダウン法を⽤いた。全集団の解析でmTSSのゼルヤンツ5mg1⽇2回+MTX群とプラセボ+MTX群との対⽐較において有意差が認められなかったことから、それ以降の検定には進めなかった。
社内資料:国際共同試験(MTX効果不⼗分例、MTX併⽤、1044試験)ORAL Scan[L20120705080][承認時評価資料]
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
本試験の安全性に関する情報は「ORAL Scan試験 安全性」参照
ゼルヤンツ10mg1⽇2回+MTX群の結果は、承認外⽤量であるため図⽰していない。
注)本試験では、ACR20改善率、mTSSのベースラインからの変化量、HAQ-DIのベースラインからの変化量、DAS28-4(ESR)<2.6達成率の順に解析を⾏うこととし、上位ステップで有意差が認められない場合に以降の解析を⾏わないステップダウン法を⽤いた。全集団の解析でmTSSのゼルヤンツ5mg1⽇2回+MTX群とプラセボ+MTX群との対⽐較において有意差が認められなかったことから、それ以降の検定には進めなかった。
社内資料:国際共同試験(MTX効果不⼗分例、MTX併⽤、1044試験)ORAL Scan[L20120705080](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
van der Heijde, D. et al.:Arthritis Rheum 65(3):559, 2013[L20130314182]
社内資料:国際共同試験(MTX効果不⼗分例、MTX併⽤、1044試験)ORAL Scan[L20120705080](承認時評価資料)
本試験は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
安全性
投与開始から3ヵ月時までに、ゼルヤンツ+MTX群全体で637例中203例(31.9%)、プラセボ+MTX群で160例中41例(25.6%)に因果関係を否定できない有害事象が認められた。おもな有害事象は、ゼルヤンツ+MTX群全体では、鼻咽頭炎15例(2.4%)、頭痛15例(2.4%)、高コレステロール血症10例(1.6%)等であり、プラセボ+MTX群では、上気道感染2例(1.3%)、消化不良2例(1.3%)、頭痛2例(1.3%)等であった。また、日本人集団のゼルヤンツ+MTX群全体で94例中51例(54.3%)、プラセボ+MTX群で24例中7例(29.2%)に因果関係を否定できない有害事象が認められた。おもな有害事象は、ゼルヤンツ+MTX群全体では、鼻咽頭炎10例(10.6%)、帯状疱疹4例(4.3%)、発熱4例(4.3%)等であり、プラセボ+MTX群では、鼻咽頭炎1例(4.2%)、上腹部痛1例(4.2%)、浮動性めまい1例(4.2%)等であった。重篤な有害事象は、ゼルヤンツ+MTX群全体で7例(基底細胞癌、胃癌・リンパ節転移、発熱・ニューモシスティスジロヴェシ肺炎、インフルエンザ各1例等)、プラセボ+MTX群で1例(鼡径部腫瘤)に認められた。また、日本人集団のゼルヤンツ+MTX群全体で3例(胃癌・リンパ節転移、発熱・ニューモシスティスジロヴェシ肺炎各1例等)、プラセボ+MTX群では認められなかった。有害事象による中止は、ゼルヤンツ+MTX群全体で22例(血圧上昇・頭痛、上気道感染、白血球数減少、腹部膨満・呼吸困難、鉄欠乏性貧血、インフルエンザ各1例等)、プラセボ+MTX群で4例(関節リウマチ2例、下痢、筋肉痛各1例)であった。また、日本人集団のゼルヤンツ+MTX群全体で6例(ニューモシスティスジロヴェシ肺炎、インフルエンザ、汎血球減少症各1例等)、プラセボ+MTX群では認められなかった。
国内で承認された内容以外の情報を含んでいます。国内での承認審査過程で評価された試験成績を含んでいます。
本邦で承認された⽤法・⽤量:通常、トファシチニブとして1回5mgを1⽇2回経⼝投与する。
注)併⽤薬のMTXは各地域の規制で定められた⽤法・⽤量によるもので、本邦での承認⽤法・⽤量とは異なる。
本邦におけるMTXの承認⽤量(関節リウマチ):通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし、1週間単位の投与量を1回⼜は2〜3回に分割して経⼝投与する。分割して投与する場合、初⽇から2⽇⽬にかけて12時間間隔で投与する。
1回⼜は2回分割投与の場合は残りの6⽇間、3回分割投与の場合は残りの5⽇間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。なお、患者の年齢、症状、忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、1週間単位の投与量として16mgを超えないようにする。
▶ 1部:第III相試験ORAL Scan試験
本コンテンツは、日本国内の医療・医薬関係者を対象に、日本国内で医療用医薬品を適正にご使用いただくため、日本国内の承認に基づき作成されています。日本の医療機関・医療提供施設等に所属し、医療行為に携っている方を対象としており、日本国外の医療関係者、一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
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