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VYNDAQEL (tafamidis) 61 mg is indicated for the treatment of wild-type or hereditary transthyretin amyloidosis in adult patients with cardiomyopathy (ATTR-CM). VYNDAQEL (tafamidis meglumine) 20 mg is indicated for the treatment of transthyretin amyloidosis in adult patients with stage 1 symptomatic polyneuropathy (ATTR-PN) to delay peripheral neurologic impairment. [INDICATION TO BE UPDATED BY LOCAL MARKET.]

99mTcピロリン酸シンチグラフィ検査における
トランスサイレチン型心アミロイドーシスの有用な指標
‒Kumamoto Criteria‒

監修:熊本大学病院 循環器内科 診療講師 髙潮 征爾 先生       
熊本大学大学院生命科学研究部 循環器内科学 教授 辻田 賢一 先生

目    的

99mTcピロリン酸シンチグラフィ陽性の患者の特徴を評価し、99mTcピロリン酸シンチグラフィの患者選択に関する提言を行うこと。

対    象

2012年1月から2018年12月までに熊本大学病院で99mTcピロリン酸シンチグラフィを受けた70歳以上の連続した患者181例。

方    法

ロジスティック回帰分析により、高感度トロポニンT≥0.0308ng/mL、左室後壁厚≥13.6mm、Wide QRS(QRS≥120ms)が99mTcピロリン酸シンチグラフィ陽性と強く関連していることがわかった。そこで、3つの因子をそれぞれ1点ずつ加算したKumamoto Criteriaを新たに作成した。

解 析 方 法

連続変数は、平均値±標準偏差で表示した。グループの比較には、Unpaired t-testsを使用した。非正規分布の変数は中央値(四分位範囲)で表示される。非連続変数およびカテゴリー変数は、度数またはパーセンテージで示し、χ2検定を用いて比較した。診断精度を比較し、99mTcピロリン酸シンチグラフィ陽性に対する高感度トロポニンTおよび左室後壁厚のカットオフ値を決定するために、ROC曲線分析を行った。99mTcピロリン酸シンチグラフィ陽性に関連する有意なパラメータを特定するために、単変量ロジスティック回帰を実施した。次に、ステップワイズ多変量ロジスティック回帰分析を実施した。Backward eliminationのP=0.1によるステップワイズ選択で、最良の予測モデルを選択した。統計学的検定はすべて両側検定とした。P<0.05は統計的に有意とみなした。

本試験の限界

本研究は患者数が少数であること、単一施設研究であること、心筋生検が実施されたのは53人(29%)であること、評価していない心アミロイドーシスの指標があること、ステップワイズ選択プロセスの結果は導出データセットのオーバーフィッティングの結果バイアスがかかる可能性があること。

*紹介したデータは特定の医療機関の研究結果を紹介したものである。
※トランスサイレチン型心アミロイドーシス診断における高感度トロポニンTは保険適応外です。

Marume K. et al. 2019. Circ J, 83(8),1698-1708

研究フローチャート

99mTcピロリン酸シンチグラフィが実施された441例のうち、心アミロイドーシスが疑われる181例について解析されました。

*紹介したデータは特定の医療機関の研究結果を紹介したものである。

Marume K. et al. 2019. Circ J, 83(8),1698-1708

99mTcピロリン酸シンチグラフィを用いた新たな治療戦略

「高感度トロポニンT≥0.0308ng/mL」、「左室後壁厚≥13.6mm」、「QRS幅≥120ms」の3つの因子をそれぞれ1点ずつ加算したKumamoto Criteriaが作成されました。

*紹介したデータは特定の医療機関の研究結果を紹介したものである。
※トランスサイレチン型心アミロイドーシス診断における高感度トロポニンTは保険適応外です。

Marume K. et al. 2019. Circ J, 83(8),1698-1708

99mTcピロリン酸シンチグラフィ検査の予測モデル

Kumamoto Criteriaのうち2項目が該当すれば、99mTcピロリン酸シンチグラフィの陽性率は63%、3項目すべてが該当すれば陽性率は96%であったことが報告されました。

*紹介したデータは特定の医療機関の研究結果を紹介したものである。

Marume K. et al. 2019. Circ J, 83(8),1698-1708

実臨床におけるトランスサイレチン型心アミロイドーシスの診断におけるKumamoto Criteriaの有用性が熊本大学で検討されました

目    的

実臨床におけるKumamoto Criteriaの有用性を検討すること。

対    象

2019年4月から2019年10月までに熊本大学病院で心電図、心エコー、高感度トロポニンTを同時に実施した、70歳以上の連続した患者368例(急性冠症候群、非代償性心不全、eGFR<15mL/分/1.73m2、心室ペーシングリズムを除外)。

方    法

コホートを拡大し、Kumamoto Criteriaの3つのスコア「高感度トロポニンT≥0.0308ng/mL」、「左室後壁厚≥13.6mm」「Wide QRS(QRS≥120ms)」を再度評価した。

解 析 方 法

原著論文に記載なし。

本試験の限界

本研究が単一施設研究であること、全例に99mTcピロリン酸シンチグラフィを実施していないこと。

*紹介したデータは特定の医療機関の研究結果を紹介したものである。
※トランスサイレチン型心アミロイドーシス診断における高感度トロポニンTは保険適応外です。

Takashio S. et al. 2020. Circ J, 84(4),681-682
著者にファイザー日本法人よりコンサルティング費、講演報酬、謝礼を受領している者が含まれる。

日常診療における各スコアの分布

日常診療におけるKumamoto Criteriaの意義を検討したところ、スコア2点、3点の「ハイスコア」は10%存在しました。

*紹介したデータは特定の医療機関の研究結果を紹介したものである。
※トランスサイレチン型心アミロイドーシス診断における高感度トロポニンTは保険適応外です。

Takashio S. et al. 2020. Circ J, 84(4),681-682
著者にファイザー日本法人よりコンサルティング費、講演報酬、謝礼を受領している者が含まれる。

各スコアにおけるトランスサイレチン型心アミロイドーシスの診断率

スコア2点では46%、3点では90%がトランスサイレチン型心アミロイドーシスでした。

*紹介したデータは特定の医療機関の研究結果を紹介したものである。

Takashio S. et al. 2020. Circ J, 84(4),681-682
著者にファイザー日本法人よりコンサルティング費、講演報酬、謝礼を受領している者が含まれる。

【監修コメント】

99mTcピロリン酸シンチグラフィは、トランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)に対して感度と特異性の高いモダリティです。2020年には、トランスサイレチン型心アミロイドーシス診断の適応外使用事例として保険収載されました1)2)
しかし、99mTcピロリン酸シンチグラフィが実施できるのは専門施設に限られるため、検査前確率を高めることが重要となります。そこで、我々は高感度トロポニンT、Wide QRS、左室後壁の厚さを組み合わせることによって99mTcピロリン酸シンチグラフィ陽性を予測するための新たな指標、Kumamoto Criteriaを開発しました3)
Kumamoto Criteriaが、トランスサイレチン型心アミロイドーシスが疑われる患者の診断戦略を決定する上で、臨床医の役に立ち、患者へ正確な診断・治療がなされる一助となれば幸いです。

※トランスサイレチン型心アミロイドーシス診断における高感度トロポニンTは保険適応外です。

1)厚生労働省保険局医療課長医薬品の適応外使用に係る保険診療上の取扱いについて 保医発1026第1号(令和2年10月26日)
2)厚生労働省保険局医療課長医薬品の適応外使用に係る保険診療上の取扱いについて 保医発0228第1号(令和4年2月28日)
3)Marume K. et al. 2019. Circ J, 83(8),1698-1708

トランスサイレチン型心アミロイドーシスが疑われたら、認定施設までご相談ください。

図

臨床徴候や検査所見などからトランスサイレチン型心アミロイドーシスが疑われる、あるいはトランスサイレチン型心アミロイドーシスの可能性が否定できない場合は、生検および染色などの専門的な診断が必要となります。日本循環器学会の認定施設への紹介をご検討ください。

日本循環器学会認定 ビンダケル導入施設・医師認定 認定施設・医師一覧Loading

4.効能又は効果

  • トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーの末梢神経障害の進行抑制
  • トランスサイレチン型心アミロイドーシス(野生型及び変異型)
2023年11月作成 VYN39N039A
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