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警告・禁忌を含む注意事項等情報は最新のDI情報をご参照ください。

一部承認内容と異なる用法及び用量を含んだ試験成績又は解析結果が含まれていますが、ここに記載されている試験は承認時評価資料及びその長期フォローアップデータのために記載します。

再発・難治多発性骨髄腫に対する治療戦略
~エルレフィオの役割

*エルレフィオの効能又は効果は、再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)です。

  開催日   2025年1月24日

  会場   大阪スタジオ

芹澤 憲太郎 先生

近畿大学医学部 血液・膠原病内科 講師

芹澤 憲太郎 先生

再発・難治性骨髄腫の治療アルゴリズムとBCMA標的治療の位置づけ
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エルレフィオの国際共同第Ⅱ相試験における有効性・安全性
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当院におけるエルレフィオ投与症例の紹介
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免疫調節薬(IMiD)、プロテアソーム阻害剤(PI)、抗CD38モノクローナル抗体製剤(抗CD38抗体)による治療を受けたtriple-class exposed(TCE)の再発又は難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者の予後は不良であり1)、これまで有効な治療選択肢も限られていた。このような中で、抗B細胞成熟抗原(BCMA)/CD3二重特異性抗体のエルレフィオが使用可能となり、本邦のガイドラインでも治療選択肢の1つとして推奨されている2)。今回は、RRMMに対する治療戦略について、エルレフィオの役割に焦点を当てながらご講演いただいた。

再発・難治性骨髄腫の治療アルゴリズムとBCMA標的治療の位置づけ

「造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版)」(以下、同ガイドライン)では、再発・難治性骨髄腫の治療アルゴリズムにおいて、自家移植後の再発・再燃骨髄腫で奏効期間が18ヵ月未満であった場合、及び移植非適応の再発・再燃骨髄腫で奏効期間が9~12ヵ月未満であった場合のIMiD、PI、抗CD38抗体に対する抵抗例への救援療法として、BCMAを標的とした二重特異性抗体が治療選択肢の1つに位置づけられています(図1)2)
TCE状態のRRMM患者さんの予後は不良であることが報告されており1)、前治療ライン数が3以上又はIMiDとPIの両方に治療抵抗性で、直近の治療ライン又は治療後に疾患進行を示したTCEのRRMM患者248例を対象に、日常診療での治療経過を前向きに観察したLocoMMotion試験では、無増悪生存期間(PFS)中央値は4.6ヵ月、OS中央値は13.8ヵ月でした(図2)1)

M蛋白増加速度が速い、LDH上昇など劇症型再発や高リスク染色体病型は直ちに救援療法を導入することを推奨する。M蛋白増加速度が緩やかなbiochemical relapseは、4~6週ごとに経過観察しつつ治療開始時期を判断する。救援療法の選択:①初回治療終了時から9~12ヵ月以上経過後の再発・再燃であれば、初回治療と同じキードラッグを用いた救援療法を試みても良い。②初回治療終了時から9~12ヵ月未満の再発・再燃に対しては、キードラッグとなる新規薬剤を変更した救援療法を選択する。救援療法としての自家造血幹細胞移植は、18ヵ月以上の初回移植後奏効期間が得られた染色体標準リスク患者で有効性が高い。同種造血幹細胞移植は、移植片対骨髄腫効果が期待できるが、治療関連死亡のリスクも高く、研究的治療との位置付けである。CQについてはガイドラインをご参照ください。

ADC(antibody-drug conjugate):抗体薬物複合体
注意)パノビノスタットは2023年3月に販売中止となった。

日本血液学会 編: 造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版)http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/table.html(2025年2月閲覧)

   図2     IMiD、PI及び抗CD38抗体による治療を受けたTCEのRRMM患者における2年間の追跡調査(LocoMMotion試験)

Limitation:
登録期間が2019~2020年であるためキメラ抗原受容体T(CAR-T)細胞療法及び二重特異性抗体を含む2020年以降に承認された新規治療法が反映されていないこと、観察研究であるため介入研究と比較して、疾患進行度の低いあるいは健康状態が不良な患者が組み入れられたことによる選択バイアスの可能性などが挙げられる。

本邦では、例としてDLd療法[ダラツムマブ(DARA)、レナリドミド(LEN)、低用量デキサメタゾン(DEX)]からISA-Kd療法[イサツキシマブ(ISA)、カルフィルゾミブ(CFZ)、低用量DEX]やPBd療法[ポマリドミド(POM)、ボルテゾミブ(BOR)、低用量DEX]などのレジメン後の治療、つまり、IMiD、PI、抗CD38抗体を含む少なくとも3つの標準的な治療が無効又は治療後に再発したTCE患者さんに対して、3rd lineとしてエルレフィオやテクリスタマブのようなBCMAを標的とした二重特異性抗体を使用することが可能です。

目的:TCEのRRMM患者におけるリアルワールドでの治療経過を検討した。
対象:前治療ライン数が3以上又はIMiDとPIの両方に治療抵抗性で、直近の治療ライン又は治療後に疾患進行を示したTCEのRRMM患者248例
方法:多施設共同前向き観察研究。Kaplan-Meier法を用いて、PFS、OSを評価した(フォローアップ期間中央値26.4ヵ月)。
Mateos MV, et al.:Leukemia 38(12):2554, 2024(PMID:39322709)
(著者にファイザー社よりコンサルタント料等を受領している者が含まれる)
エルレフィオの国際共同第Ⅱ相試験における有効性・安全性

エルレフィオは、IMiD、PI及び抗CD38抗体のそれぞれ少なくとも1剤に対して治療抵抗性を示す(前治療のレジメン数を問わない)RRMM患者を対象とした国際共同第Ⅱ相試験であるMagnetisMM-3試験において、単剤投与したときの有効性及び安全性が検討されています3)。主な選択基準としてクレアチニンクリアランス(CrCL)≧30mL/min、絶対好中球数≧1 . 0×1 09 / L 、血小板数≧25×109/Lなどが設定され、抗BCMA二重特異性抗体の投与歴がある患者は除外されていました3)
本試験では、BCMAを標的とした治療がエルレフィオの単剤投与の効果に及ぼす影響を検討するため、BCMA標的治療歴の有無別の2つの独立した並行コホートが設定されていました3)。このうち、BCMA標的治療歴のないRRMM患者を対象としたコホートAでは、患者背景として髄外病変(EMD)ありが31.7%、前治療ライン数中央値5、トリプルクラス治療抵抗性(TCR)96.7%であり3)、heavy treatmentの集団であったと考えられます。コホートAでの独立中央判定(BICR)評価による奏効率(ORR)は61.0%であり、そのうち最良部分奏効(VGPR)以上は55.3%でした3)。また完全奏効(CR)以上は27.6%でした(図4)3)。本試験の承認時のデータカットオフ時点での無増悪生存期間(PFS)中央値は未到達(95%信頼区間:10.4ヵ月-NE)、OS中央値も未到達(95%信頼区間:NE-NE)でしたが、最新の長期フォローアップにおけるPFS中央値は17.2ヵ月(95%信頼区間:9.8ヵ月-NE)、OS中央値は24.6ヵ月(95%信頼区間:13.4ヵ月-NE)でした(図5、6)8)。これらの結果は、エルレフィオの有効性を評価するうえで興味深い結果だと考えています。安全性に関しては、主な副作用としてサイトカイン放出症候群(CRS)(57.9%)、好中球減少症(36.1%)、貧血(26.8%)などが認められました(表1、2)3,8)。特にCRSに関しては、その発現率からも、適切な対応が求められると考えられます。

安定(SD)は17.1%、疾患進行(PD)は17.9%、推定不能(NE)は4.1%であった。
抗腫瘍効果の評価は国際骨髄腫ワーキンググループ(IMWG)規準7)に基づく。
*Clopper-Pearson法
**完全奏効率(CRR:sCR+CR)(副次評価項目)

(データカットオフ日:2022年10月14日)
社内資料:国際共同第Ⅱ相試験(C1071003試験)(承認時評価資料)

(データカットオフ日:2024年3月26日)
Tomasson MH, et al.:Hemasphere 8(7):e136, 2024(PMID:39055646)
(著者にファイザー社より研究支援等を受領している者が含まれる)

(データカットオフ日:2024年3月26日)
Tomasson MH, et al.:Hemasphere 8(7):e136, 2024(PMID:39055646)
(著者にファイザー社より研究支援等を受領している者が含まれる)

一般に治療は長期にわたって行われることから、エルレフィオの臨床試験における長期の有効性・安全性データをお示しします。

IMiD、PI及び抗CD38抗体のそれぞれ少なくとも1剤に対して治療抵抗性を示す(前治療のレジメン数を問わない)RRMM患者を対象に、エルレフィオの単剤投与による有効性及び安全性を検討することを目的とした国際共同第Ⅱ相試験(MagnetisMM-3試験)が実施されました3)。BCMA標的治療歴のないRRMM患者を対象としたコホートAでは、独立中央判定(BICR)評価による奏効率(ORR)は61.0%で、そのうち最良部分奏効(VGPR)以上は55.3%でした。また、完全奏効(CR)以上は27.6%でした(図3)3)。承認時のデータカットオフ時点でのPFS中央値は未到達(95%信頼区間:10.4ヵ月-NE)、OS中央値も未到達(95%信頼区間:NE-NE)でしたが3)、追跡期間中央値28.4ヵ月における長期フォローアップのPFS中央値は17.2ヵ月(95%信頼区間:9.8ヵ月-NE)(図4)4)、OS中央値は24.6ヵ月(95%信頼区間:13.4ヵ月-NE)でした(図5)4)。このようなTCE患者に対する長期フォローアップの結果は、TCEに対してエルレフィオを治療選択肢の1つとして検討する上で重要であると考えます。
安全性については、主な副作用として、サイトカイン放出症候群(CRS)(57.9%)、好中球減少症(36.1%)、貧血(26.8%)などが発現し(表1)3)、長期フォローアップにおいてはそれぞれ57.7%、49.6%、48.8%の発現率でした(表2)4)。特にCRSに関しては起こりうることを想定し、適切に対応していくことが重要です。有害事象に対する対処法としては、電子添文や適正使用ガイド等を参考に適切な処置を行うとともに、医療施設の方針に従った処置も検討してください。

安定(SD)は17.1%、疾患進行(PD)は17.9%、推定不能(NE)は4.1%であった。
抗腫瘍効果の評価は国際骨髄腫ワーキンググループ(IMWG)規準5)に基づく。
*Clopper-Pearson法
**完全奏効率(CRR:sCR+CR)(副次評価項目)

(データカットオフ日:2022年10月14日)
社内資料:国際共同第Ⅱ相試験(C1071003試験)(承認時評価資料)

(データカットオフ日:2024年3月26日)
Tomasson MH, et al.:Hemasphere 8(7):e136, 2024(PMID:39055646)
(著者にファイザー社より研究支援等を受領している者が含まれる)

(データカットオフ日:2024年3月26日)
Tomasson MH, et al.:Hemasphere 8(7):e136, 2024(PMID:39055646)
(著者にファイザー社より研究支援等を受領している者が含まれる)

GradeはNCI-CTCAE Version 5.0に準じる。CRSのGradeはASTCT 20196)に準じて評価した。

(データカットオフ日:2022年10月14日)

国際共同第Ⅱ相試験における重篤な副作用※2は183例中54例(29.5%)に認められ、内訳はCRS23例(12.6%)、肺炎6例(3.3%)、貧血5例(2.7%)、発熱性好中球減少症4例(2.2%)、発熱、ニューモシスチス・イロベチイ肺炎各3例(1.6%)、好中球減少症、血小板減少症、副鼻腔炎、細菌性肺炎、腎盂腎炎、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)各2例(1.1%)、純赤血球無形成、狭心症、急性心不全、めまい、出血性下痢、注射部位反応、低γグロブリン血症、蜂巣炎、敗血症、サイトメガロウイルス感染再燃、器具関連菌血症、大腸菌尿路感染症、ヘルペスウイルス感染症、クレブシエラ性敗血症、パルボウイルスB19感染、サイトメガロウイルス性肺炎、シュードモナス性肺炎、ウイルス性肺炎、敗血症性ショック、ブドウ球菌性菌血症、ブドウ球菌性敗血症、溶連菌性敗血症、成長障害、低カリウム血症、腫瘍崩壊症候群、関節痛、骨痛、筋炎、リウマチ性多発筋痛、サルコペニア、運動失調、ギラン・バレー症候群、錯乱状態、急性腎障害、呼吸困難、低酸素症、肺臓炎が各1例(0.5%)でした。
死亡に至った副作用※2はシュードモナス性肺炎、成長障害、敗血症性ショック各1例(0.5%)でした。
投与中止に至った副作用※2は15例(8.2%)であり、内訳はICANS2例(1.1%)、好中球減少症、血小板減少症、発熱性好中球減少症、CRS、サイトメガロウイルス感染再燃、クレブシエラ性敗血症、サイトメガロウイルス性肺炎、シュードモナス性肺炎、敗血症、敗血症性ショック、血中アルカリホスファターゼ増加、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、筋肉減少症、ギラン・バレー症候群、末梢性運動ニューロパチー、末梢性感覚運動ニューロパチー、末梢性感覚ニューロパチー、多発ニューロパチー、呼吸困難、気道の炎症が各1例(0.5%)でした。

社内資料:国際共同第Ⅱ相試験(C1071003試験)(承認時評価資料)
エルレフィオの投与を少なくとも1回受けたすべての治験参加者187例のうち、エルレフィオ44mg投与後に76mgの週1回投与を受けたコホートAの4例を除いた患者MedDRA Version 25.0
※3:Grade≦2
注)文献中に記載はないが、対象患者123例に対する発現率から算出した。

死亡に至った有害事象
●感染8例(6.5%)
重篤な有害事象、投与中止に至った有害事象、(感染を除く)死亡に至った有害事象
●現時点で非公開情報のため掲載しておらず、文献中にも記載されていない。

(データカットオフ日:2024年3月26日)
Tomasson MH, et al.:Hemasphere 8(7):e136, 2024(PMID:39055646)
(著者にファイザー社より研究支援等を受領している者が含まれる)
MagnetisMM-3試験(国際共同第Ⅱ相試験:C1071003試験)試験概要

目的:
IMiD、PI及び抗CD38抗体のそれぞれ少なくとも1剤に対して治療抵抗性を示すRRMM患者を対象として、エルレフィオを単剤投与したときの有効性及び安全性を検討する。

試験デザイン:
非無作為化、非盲検、多施設国際共同、第Ⅱ相試験

対象:
BCMAを標的とした治療がエルレフィオ単剤投与の効果に及ぼす影響を検討するため、2つの独立した並行コホートを設定した。

123例にはエルレフィオ44mg投与後に76mgの週1回投与を受けた4例が含まれる。

試験方法:
エルレフィオを1日目に12mg、4日目に32mgを1日1回皮下投与し、8日目以降は4週間を1サイクルとして1日1回76mg(標準用量)を1週間間隔で皮下投与した。ステップアップ用量及び初回の標準用量の投与約60分前に前投与[アセトアミノフェン650mg(又はparacetamol※5 500mg)を経口、デキサメタゾン20mg(又は相当量)を経口又は静注及びジフェンヒドラミン25mg(又は相当量)を経口又は静注]を必須とした。少なくとも24週間(6サイクル)投与継続後に部分奏効(PR)以上の効果が2ヵ月以上持続している場合、投与間隔を2週間間隔に変更した。投与間隔を2週間間隔に変更後に腫瘍量の増加(IMWG規準に従ってPDと判定するには至らない増加)が認められた場合は、投与間隔を1週間間隔に戻すこととした。エルレフィオの投与はPDの確定、許容できない毒性の発現、同意の撤回又は試験終了まで行うこととした。なお、プロトコルに2段階のステップアップ用量を導入する前にコホートAに組み入れられた最初の4例は、初回に44mg、8日目から76mgの週1回投与を受けた。

paracetamolは国内未承認

評価項目:
有効性]
主要評価項目<コホートA及びコホートB>:
BICR評価によるIMWG規準に従ったORR(sCR+CR+VGPR+PR)
重要な副次評価項目<コホートAのみ>:ベースライン時のEMDの有無別のBICR評価によるIMWG規準に従ったORR
副次評価項目<コホートA及びコホートB>:IMWG規準に従ったMRD陰性率、BICR評価によるIMWG規準に従ったPFS、OS、IMWG規準に従ったCRRなど 

[安全性]
有害事象をNCI-CTCAE Version 5.0を用いて評価し、CRS及びICANSのGradeはASTCT 20196)に準じて評価した。
有効性評価及び安全性評価※6は治験薬の投与を少なくとも1回受けたすべての治験参加者187例を対象に行った。

安全性の集計結果については、エルレフィオ44mgの投与後に76mgの週1回投与を受けたコホートAの4例を除いた183例を示す。

解析計画:
●コホートA及びコホートBの目標症例数は、正確二項分布に基づく2段階デザインを用いて、2つのコホートで別々に主要評価項目であるORR(BICR評価)に関する統計学的仮説を検定したとき十分な検出力が得られるように設定した。
●主要評価項目であるORR(BICR評価)の各コホートの最終解析は、すべての対象症例がベースライン以降に少なくとも2回奏効評価を行った時点、又は投与開始後2ヵ月以内に奏効評価を中止した時点で実施することとした。
●主要評価項目であるORR(BICR評価)はClopper-Pearson法により両側95%信頼区間を算出し、コホートAでは、閾値ORR30%以下となる帰無仮説に対する片側p値、コホートBでは、閾値ORR15%以下となる帰無仮説に対する片側p値を算出した。さらにVGPR以上(sCR+CR+VGPR)を算出し、Clopper-Pearson法により両側正確95%信頼区間を算出した。
●コホートAでORR(BICR評価)の帰無仮説が棄却された場合、重要な副次評価項目である、ベースライン時にEMDのない対象症例でのORR(BICR評価)を38%以下とした帰無仮説に対して、ゲートキーピング法を用いて片側有意水準0.025で階層的に検定することとした。コホートAのベースライン時にEMDのない対象症例でORR(BICR評価)の帰無仮説が棄却された場合、重要な副次評価項目である、ベースライン時にEMDを有する対象症例でのORR(BICR評価)を12%以下とした帰無仮説に対して、ゲートキーピング法を用いて片側有意水準0.025で正確二項検定を用い、階層的に検定することとした。
●主要評価項目であるコホートAのORR(BICR評価)は中間解析を実施するため、主要評価項目の片側有意水準0.025は最終解析時点では0.0202となっている。
●副次評価項目であるPFS、OS(BICR評価)はKaplan-Meier法を用い、3、6、9、12ヵ月時点(以降6ヵ月毎)の奏効持続確率及び3、6、9、12、15、18、24ヵ月時点(以降12ヵ月毎)のイベントフリー確率を対応する両側95%信頼区間とともに推定した。
●副次評価項目であるCRRはCR以上(sCR+CR)を算出し、Clopper-Pearson法により両側正確95%信頼区間を算出した(EMD有無別の評価も含む)。
●ベースライン時のEMD有無別、R-ISS、5剤の治療に対する抵抗性の有無別のORR(BICR評価)について、サブグループ解析を事前に規定した。
●試験参加者は登録から少なくとも2年間追跡されることとした。追跡調査は生存状態を確認し、新たな抗癌剤治療、有害事象、避妊チェックを含む情報を収集するために治験薬の最終投与から3ヵ月ごとに実施されることが事前規定されていた。 

社内資料:国際共同第Ⅱ相試験(C1071003試験)(承認時評価資料)
PF-06863135(Elranatamab) Protocol C1071003 Final Protocol Amendment 10, 22 March 2023
(https://cdn.clinicaltrials.gov/large-docs/59/NCT04649359/Prot_000.pdf)(2025年2月閲覧)

紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。

当院におけるエルレフィオ投与症例の紹介

症例:
80歳代、女性、IgG-λ、初診時R-ISS-Ⅲ、再発難治時における骨髄中の骨髄腫細胞77.8%、1q+[86%(1q gain:59%、1q amp:27%)]、TP53欠失

治療経過:
20XX年に診断を受けLd療法(LEN、低用量DEX)を16コース実施。20XX+1年にILd療法[イキサゾミブ(IXA)、LEN、低用量DEX]を36コース、20XX+4年にISA-d療法(ISA、低用量DEX)を11コース実施するも、20XX+5年に臨床的再発となり、再度の救援化学療法目的で入院。

本症例は、当科で意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症(MGUS)からMMに進展し、さまざまな治療を行っても再発を繰り返しました。また、骨髄中の骨髄腫細胞の割合が高く、細胞遺伝学的異常のあるハイリスクな症例でした。入院時には貧血が著明にみられ、クレアチニン値も2mg/dL近くまで上昇していましたが、本人や家族の希望もあり、TCEであることから4th lineとしてエルレフィオの投与を開始しました。投与開始初日の夜にGrade1のCRSが出現し、アセトアミノフェンへの反応が不良であったことからトシリズマブを投与したところ1日で解熱し、その後も治療継続が可能でした。しかしながら、約1ヵ月後に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への罹患により治療は中断となりました。治療中断後もフリーライトチェーン(FLC)検査の結果遊離λ鎖の上昇はなく、MMの兆候もみられない状態で推移しています(図6)。COVID-19への対応は、2024年に発表された「免疫不全者におけるCOVID-19の臨床対応指針案 第1.0版7)」を手本としてマネジメントすることも有用だと考えます。
「造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版)2)」では、再発・難治性骨髄腫に対する救援療法としてIMiD、PI及び抗CD38抗体を含む治療歴2レジメン以上の前治療であればBCMAを標的としたCAR-T、TCEに該当すればBCMAを標的とした二重特異性抗体が推奨されています。そのため、各薬剤の特徴を踏まえた薬剤選択が重要と考えます。

症例報告者:近畿大学医学部 血液・膠原病内科 講師 芹澤 憲太郎先生
Mateos MV, et al.:Leukemia 38(12):2554, 2024(PMID:39322709)
(著者にファイザー社よりコンサルタント料等を受領している者が含まれる)
日本血液学会 編:造血器腫瘍診療ガイドライン 第3.1版(2024年版)
(http://www.jshem.or.jp/gui-hemali/table.html)(2025年2月閲覧)
社内資料:国際共同第Ⅱ相試験(C1071003試験)(承認時評価資料)Tomasson MH, et al.:Hemasphere 8(7):e136, 2024(PMID:39055646)
(著者にファイザー社より研究支援等を受領している者が含まれる)
Kumar S, et al.:Lancet Oncol 17(8):e328, 2016(PMID:27511158)
(著者にファイザー社よりコンサルタント料を受領している者が含まれる)
Lee DW, et al.:Biol Blood Marrow Transplant 25(4):625, 2019(PMID:30592986)
(著者にファイザー社より研究支援等を受領している者が含まれる)
免疫不全者におけるCOVID-19の臨床対応指針案 第1.0版
(https://www.niid.go.jp/niid/images/PDF/covid19/covid19-rinsyoutaiou.pdf)(2025年2月閲覧)

4. 効能又は効果
再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)
5. 効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤による治療は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む少なくとも3つの標準的な治療が無効又は治療後に再発した患者を対象とすること。[17.1.1 参照]
5.2 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1 参照]
6. 用法及び用量
通常、成人にはエルラナタマブ(遺伝子組換え)として、1日目に12mg、4日目に32mgを1回皮下投与する。8日目以降は1回76mgを1週間間隔で皮下投与する。なお、24週間以上投与し、奏効が認められている場合は、投与間隔を2週間間隔とすること。

エルレフィオの製品情報(電子添文等)はこちら

本試験の主要評価項目である奏効率(ORR)は、治験実施計画書で規定された最終解析である2022年6月17日時点でコホートA[BCMA標的治療歴なし]は61.0%(95%信頼区間:51.8-69.6)であり、帰無仮説(閾値ORR 30%以下)に対して統計的に有意だった(p<0.0001、片側正確二項検定)。また、コホートB[BCMA標的治療歴あり]は29.7%(95%信頼区間:18.9-42.4)であり、帰無仮説(閾値ORR 15%以下)に対して統計的に有意だった(p=0.0021、片側正確二項検定)。いずれのコホートに関しても帰無仮説が棄却され、真のORRが閾値ORRを上回ることが示された。
本試験の主要評価項目であるORR及びその他の有効性の結果並びに安全性の結果について、ORRの最終解析時より長い追跡データである承認申請時の結果[最後の患者の初回投与から9ヵ月以上経過した時点(データカットオフ日:2022年10月14日)]を示す。本試験は継続中である。追跡期間の中央値はデータカットオフ時点(2022年10月14日)で、コホートA[BCMA標的治療歴なし]で10.38ヵ月(範囲:0.23-20.14ヵ月)、コホートB[BCMA標的治療歴あり]で9.22ヵ月(範囲:0.33-12.32ヵ月)であった。
♯本試験は、統計的に第1種の過誤、第2種の過誤を制御した解析として計画されたが、同時対照群の比較試験でないため、検定結果は検証的なものではない。

2025年4月作成 ELR39P047A
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  • 非通知設定の場合、ダイヤルの前に「186」をつけておかけください。
  • お話しを正確に聞き取り、回答の質の向上を図るため、お電話を録音しております。
  • お問い合わせ内容は、適切な情報提供活動や製品やサービスの向上のために利用することがあります。
  • ご質問に対する弊社からの回答は、ご質問者個人に対するものです。回答内容は弊社の許可なくその一部または全体を転用、もしくは二次利用することはご遠慮ください。

Copyright© since 2010 Pfizer Japan Inc. All right reserved.

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