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講演会講演会動画すべての動画エキスパートにきく 再発・難治性ALLにおけるべスポンサの使用経験資材すべての資材

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当院でべスポンサを投与した11症例先生方のご所属・肩書は当時のものです。

べスポンサの適応症は、再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病です。

紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません。「警告・禁忌を含む注意事項等情報」は電子化された添付文書をご参照ください。再発・難治性ALLの予後改善を目指すためには、早期にCRを達成し、造血幹細胞移植を実施することが重要です。
今回は、移植を目指した治療において、当院でべスポンサを投与した11症例を通じて、べスポンサの有効性と安全性についてご紹介します。また4症例ではVOD/SOSを発現したことから、VOD/SOSの発現状況と適切な管理についても考えてみたいと思います。

べスポンサの効能又は効果は、「再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病」です。

製品の詳細は、電子添文をご参照ください。
動画内のご所属等は本コンテンツ掲載当時のものです。
移植適応のR/R ALL治療で考慮すべきポイント当院では初発例も含め、血液学的寛解状態でHSCTを行っても早期再発してしまう患者が少なからずいます。そのため、HSCT後の予後改善のために、下記のようなことを考慮します。MRD陰性化とHSCT
今はPh陰性例でもMRDが測定できる時代になりつつあるので、HSCT後の予後改善のためにも、MRDを認める再発/難治例では抗体医薬品を積極的に使用し、MRDの陰性化を待ってからHSCTを行うべきだと考えています。
ターゲットの量が治療効果に影響する可能性
一方で、抗体医薬品はその作用機序から、ターゲットの量が治療効果に影響する可能性があります1)。腫瘍量の多い症例に対しては、化学療法で腫瘍量を減少させてからベスポンサを投与するようにしています。
寛解達成後なるべく早期にHSCT
当院でVOD/SOSを発現した症例の中にはベスポンサの最終投与からHSCTまでに間隔を空けた症例もあります。明確な関連が示されていない2)以上、再発リスクの低減を優先し、寛解達成後なるべく早期のHSCT施行を目指しています。

べスポンサの効能又は効果は、「再発又は難治性のCD22陽性の急性リンパ性白血病」です。

Khan, N. et al.: Leukemia 31(5): 1059, 2017(著者にPfizer Inc.のアドバイザリーボードを務めている者が含まれる)

INO-VATE試験において、ベスポンサ投与からHSCT施行までの期間とHSCT後のVOD/SOS発現には関連は認められませんでした(社内資料:静脈閉塞性肝疾患(VOD)/類洞閉塞症候群(SOS)を含む肝障害(承認時評価資料)[L20180201012])。

承認時に国際共同試験及び海外試験の臨床成績が臨床パッケージとして審査・評価されました。一部、承認内容と異なる用法及び用量を含んだ解析成績が含まれています。

臨床試験:国際共同第III相試験(1022試験)
試験概要:INO-VATE試験
試験薬の投与方法 標準化学療法群(試験担当医師が無作為割り付け前に選択)標準化学療法群では、一部、承認外の効能又は効果、用法及び用量が使用された症例が含まれています。FLAG:
シタラビン2g/m2/日(1~6日)+フルダラビン30mg/m2/日(2~6日)+遺伝⼦組換えヒト顆粒球コロニー形成刺激因⼦(G-CSF)製剤5μg/kg/日、又は各施設の標準治療を、1サイクル4週間とし、最大4サイクル静脈内投与

MIT/Ara-C:
ミトキサントロン12mg/m2/日(1~3日)+シタラビン200mg/m2/日(1~7日)を、1サイクル15~20日間とし、最大4サイクル静脈内投与

HiDAC:
シタラビン3g/m2(12時間ごとに1~3時間かけて最大12回まで)を1サイクルとし、最大2サイクル静脈内投与
日本国内において⼀部承認外の効能又は効果、用法及び用量が含まれるため、各薬剤の詳細は最新の電子添文をご参照ください。
なお、各薬剤の日本国内で承認された「効能又は効果」「用法及び用量」は以下のとおりです(2023年4月現在)。
シタラビン注射液[用法及び用量]シタラビン大量療法(急性リンパ性白血病)では、通常、成人には、他の抗腫瘍剤と併用し、シタラビンとして1回2g/m2を5%ブドウ糖液あるいは生理食塩液に混合して300~500mLとし、12時間毎に3時間かけて点滴で最大6日間連日静脈内投与する。
フルダラビンリン酸エステル点滴静注用[効能又は効果]貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病、再発又は難治性の下記疾患(低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫)、下記疾患における同種造血幹細胞移植の前治療(急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫)、腫瘍特異的T細胞輸注療法の前処置。
遺伝子組換えヒト顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)製剤[効能又は効果]造血幹細胞の末梢血中への動員、造血幹細胞移植時の好中球数の増加促進、がん化学療法による好中球減少症、骨髄異形成症候群に伴う好中球減少症、再生不良性貧血に伴う好中球減少症、先天性・特発性好中球減少症、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の治療に支障を来す好中球減少症、免疫抑制療法(腎移植)に伴う好中球減少症、再発又は難治性の急性骨髄性白血病に対する抗悪性腫瘍剤との併用療法。
ミトキサントロン塩酸塩注射液[用法及び用量]急性白血病(慢性骨髄性白血病の急性転化を含む)では、通常、成人にはミトキサントロンとして1日1回2~5mg/m2(本剤1~2.5mL/m2)を5日間連日、3~4週間隔で静脈内にゆっくり投与する。
CD22陽性白血病芽球20%以上(2012年1月~2014年2月)、形態学的評価により骨髄中の芽球が5%以上(2014年3月~)の骨髄病変を有する患者。中枢神経系白血病患者は除外した。層別因子:初回の寛解持続期間(DoR)(12ヵ月未満又は12ヵ月以上)、患者が本試験中に受けるサルベージ療法(1次又は2次サルベージ療法)、無作為割り付け時の患者の年齢(55歳未満又は55歳以上)無作為割り付け前に決定された。目的:
ベスポンサと試験担当医師が選択した標準化学療法の有効性及び安全性等を比較検討する。

対象:
再発又は難治性のCD22陽性急性リンパ性白血病(ALL)患者326例

試験デザイン:
無作為割り付け、非盲検、多施設共同、国際共同、第III相試験

方法:
ベスポンサ群と試験担当医師が選択した標準化学療法群(以下、標準化学療法群)の2群に無作為に割り付け、試験薬を投与し、 無作為割り付けから5年後あるいは最終患者の無作為割り付けから2年後のいずれか早い時点まで生存を追跡調査した。

試験薬の投与:
ベスポンサ群は、1日目に0.8mg/m2(体表面積あたり、以下同様)、8及び15日目に0.5mg/m2を1日1回、60(±15)分かけて点滴静脈内投与した。初回サイクルは原則21日間としたが、寛解が得られた場合又は毒性からの回復が必要な場合は28日間まで延長できることとした。寛解が得られた場合、第2サイクル以降の1日目の投与量は0.5mg/m2とした。造血幹細胞移植(HSCT)を予定している患者では、ベスポンサの効果が得られる最小限のサイクル数とし、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、第3サイクル終了までに投与を中止することとした。HSCTを予定していない患者では、6サイクルまで投与を繰り返すことができるが、第3サイクル終了までに効果が得られない場合は投与を中止することとした。
標準化学療法群では、無作為割り付け前に試験担当医師が3レジメンから1レジメンを選択した。患者が完全寛解(CR)又は血球数の回復を伴わない完全寛解(CRi)を達成した場合、試験担当医師の判断でHSCTを施行してもよいとした。
寛解の定義 下記のCR及びCRiを血液学的完全寛解と定義した。
  • CR(完全寛解):骨髄中の芽球5%未満、末梢血中の白血病芽球消失、髄外病変消失、末梢血球数の回復(血小板数100,000/μL以上かつ好中球絶対数1,000/μL以上)、のすべてを満たす。
     
  • CRi(血球数の回復を伴わない完全寛解):CRのうち、血小板数又は好中球絶対数の回復(血小板数100,000/μL以上又は好中球絶対数1,000/μL以上)を伴わない。
主要評価項目:
評価項目判定委員会(EAC)判定を用いた血液学的完全寛解(CR+CRi)率[検証的解析結果]、全生存(OS)期間[検証的解析結果]
副次評価項目:
CR+CRi率(試験担当医師判定)、CR/CRi達成患者の微小残存病変(MRD)陰性率と寛解持続期間(DoR)、無増悪生存(PFS)期間、造血幹細胞移植(HSCT)施行率、患者報告アウトカム(PRO)、有害事象
CR、CRi、DoR、PFS期間は試験担当医師判定による(ただし、MRD陰性は中央検査機関が判定)。評価方法:
[有効性]解析集団は、下表のように定義した。
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解析集団 定義 ベスポンサ群 標準化学療法群 評価項目
ITT218集団 ITT集団の部分集団で、最初に無作為に割り付けられた218例の患者 109例(日本人11例) 109例(日本人6例) CR+CRi率/DoR
ITT集団 無作為に割り付けられたすべての患者 164例(日本人13例) 162例(日本人7例) OS期間/MRD陰性率/PFS期間
本試験の試験実施計画時には、主要評価項目であるCR+CRi率のみならず、重要な副次評価項目であるOS期間についても、症例数設計が実施された。その後、米国食品医薬品局(FDA)との協議により、CR+CRi率の主要解析前にOS期間が主要評価項目となったため、OS期間の主要解析用に設計された症例数に基づきITT集団(計326例)を設定した。
一方ITT218集団は、CR+CRi率の主要解析のために設計し最初に無作為割り付けをした218例で構成される集団とした。 ITT:intent-to-treat
試験担当医師が選択した標準化学療法群。解析計画:
[有効性]カテゴリカル変数(CR、CRi、CR+CRi率、MRD陰性率、HSCT施行率)は、χ2検定又はFisherの正確確率検定(患者が5例未満の場合)を用いて群間を比較した。
両群のCR+CRi率の信頼区間(CI)はF分布に基づいて算出した。CR+CRi率の群間差のCIは正規近似を用いて算出した。イベント発生までの期間の評価項目(OS期間、PFS期間、DoR)は、層別Cox比例ハザードモデル及び層別log-rank検定を用いて解析した。層別Cox比例ハザードモデルを用いてハザード比及びその両側97.5%CIを示した。中央値は群ごとにKaplan-Meier法を用いて推定し、一般化Brookmeyer-Crowley法に基づく両側95%CIとともに示した。主要評価項目のCR+CRi率(EAC判定)は、有意水準0.0125(片側)として標準化学療法群に対するベスポンサ群の優越性を検証した。主要評価項目のOS期間はITT集団を対象とし、層別log-rank検定を用いて有意水準0.0104(片側)として標準化学療法群に対するベスポンサ群の優越性を検証した。MRD陰性率はITT集団のうちCR/CRiを達成した患者を対象とし、MRD陰性は、骨髄における異常細胞数が単核細胞104個中に1個未満になった場合と定義した(フローサイトメトリー法による中央検査機関の判定)。DoRはITT218集団のうちCR/CRiを達成した患者を対象とした。PFS期間はITT集団を対象とし、層別log-rank検定を用いて有意水準0.0125(片側)として解析した。PFS期間とMRD陰性率は、CR+CRi率(EAC判定)が事前に規定した有意水準0.0125を満たすとされた後に、全般的な第一種の過誤確率を調整するためgatekeeping法を用いて有意水準0.0125(片側)としてPFS期間に次いでMRD陰性率を解析した。
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検定順序 ①CR+CRi率 ②PFS期間 ③MRD陰性率
[安全性]安全性解析対象集団は、無作為割り付けし試験薬が少なくとも1回投与されたすべての患者と定義した。ベスポンサ群164例(日本人13例を含む)、標準化学療法群143例(日本人6例を含む)であった。初回サイクル1日目から最終投与の42日後までに発現した有害事象、初回サイクル1日目以降に発現した試験薬と関連がある有害事象(副作用)(いずれもグレードa)別を含む)、初回サイクル1日目から最終投与の42日後までに発現した重篤な有害事象、初回サイクル1日目以降の死亡について評価した。ベスポンサ群におけるHSCT後のVOD/SOSの発現とベースラインの患者背景の関連について、ロジスティック回帰分析モデルによる単変量解析及び多変量解析を行った。a)重症度のグレードはNCI-CTCAE version 3.0に準じる。安全性、忍容性[HSCT 後の静脈閉塞性肝疾患(venoocclusive disease:VOD)/類洞閉塞症候群(sinusoidal obstruction syndrome:SOS)の発現頻度を含む]を検討する。[その他]HSCT施行率はITT集団を対象とし、HSCT施行率の差については95%CIを算出し、有意水準0.0125(片側)として群間で比較した。
PROの主要解析は、各PROに対し線形混合効果モデルを当てはめ、推定平均値は制限付き最尤推定法で求め、p値は記述的なものとした。
[サブグループ解析]事前に計画されたサブグループ解析として、初回の寛解持続期間(DoR)、サルベージ回数、無作為割り付け時の患者の年齢(55歳未満又は55歳以上)、ベースラインの骨髄芽球割合別CR+CRi率、CR+CRi達成までの投与サイクル数別の割合、MRDステータス別OS、初回の寛解持続期間(DoR)別(12ヵ月未満、12ヵ月以上)の生存率(OS期間)、初回の寛解持続期間(DoR)別の無増悪生存(PFS)期間、年齢(55歳未満/以上)別の寛解維持期間、無増悪生存期間、全生存期間、ベースラインのCD22陽性白血病芽球割合別の完全寛解率について検討した。無作為割り付け時の患者の年齢(55歳未満又は55歳以上)別OSとPFSについて、承認時評価資料として解析された。[データカットオフ日]2014年10月2日:CR+CRi率(EAC判定) 2016年3月8日:OS期間、MRD陰性率、DoR、PFS期間、HSCT施行率、PRO、有害事象
2017年1月4日:最終患者の無作為割り付けから2年後時点の2017年1月4日で試験終了とし最終解析を行った(治験薬の投与中止後、無作為割り付けから5年後あるいは最終被験者の無作為割り付けから2年後のいずれか早い時点まで生存の追跡調査を実施すると事前に規定された)。
安全性
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  ベスポンサ群(164例) 標準化学療法群(143例)
全副作用 144例(87.8%) 130例(90.9%)
主な副作用 好中球減少症63例(38.4%)、血小板減少症55例
(33.5%)、貧血33例(20.1%)等
血小板減少症71例(49.7%)、発熱性好中球減少症
65例(45.5%)、貧血60例(42.0%)等
グレード3以上の
副作用
115例(70.1%) 113例(79.0%)
主なグレード3以上の
副作用
好中球減少症60例(36.6%)、血小板減少症40例
(24.4%)、白血球減少症29例(17.7%)等
血小板減少症70例(49.0%)、発熱性好中球減少症
64例(44.8%)、好中球減少症54例(37.8%)等
投与中止に至った
副作用
15例(9.1%) 7例(4.9%)
主な投与中止に至った
副作用
肺炎、血小板減少症、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ(GGT)増加、高ビリルビン血症、静脈閉塞性肝疾患(VOD)/類洞閉塞症候群(SOS) 各2例(1.2%)等 発熱性好中球減少症3例(2.1%)等
試験薬と関連がある
死亡とその内訳
9例(5.5%)
ベスポンサ投与終了後のHSCT施行後に発現したVOD/SOS 5例(3.0%)、腸管虚血/敗血症性ショック、急性呼吸窮迫症候群、肺炎、ベスポンサ投与終了後におけるHSCT施行後の多臓器不全 各1例(0.6%)
3例(2.1%)
頭蓋内出血、多臓器不全、肺感染/呼吸不全 各1例
(0.7%)
重症度のグレードはNCI-CTCAE version 3.0に準じる。試験薬と関連がある、無作為割り付け後2年間に発現したすべてのVOD/SOS。
(データカットオフ日:2016年3月8日)
社内資料: 国際共同第Ⅲ相試験(B1931022試験)[L20171116016](承認時評価資料)
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