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ベスポンサの作用機序 総合製品情報概要 PDFダウンロードはこちらLoadingベスポンサとは

ヒト化抗CD22モノクローナル抗体(IgG4、イノツズマブ)にオゾガマイシン(細胞傷害性抗腫瘍性抗生物質カリケアマイシン誘導体+リンカー)のリンカーを介して共有結合させた抗体薬物複合体(ADC:antibody-drug conjugate)です。

CD22陽性細胞への高い選択性により1)、殺腫瘍細胞効果と毒性の低減2)が期待されています。

細胞表面のCD22発現量と関係なく、CD22陽性細胞内に効率よく取り込まれます3)

*1),3)は in vitro、2)はマウスで検討

ベスポンサは、CD22陽性急性リンパ性白血病(ALL)細胞を標的とした
抗腫瘍効果が示されました1、2)

●ベスポンサはモノクローナル抗体と細胞傷害性抗腫瘍性抗生物質のハイブリッド

ベスポンサ[一般名:イノツズマブ オゾガマイシン(遺伝子組換え)]とは、ヒト化抗CD22モノクローナル抗体(IgG4、イノツズマブ)にオゾガマイシン(細胞傷害性抗腫瘍性抗生物質カリケアマイシン誘導体+リンカー)のリンカーを介して共有結合させたADCです。 腫瘍細胞表面のCD22抗原を特異的に認識して結合し、エンドサイトーシスにより細胞内に内在化(インターナリゼーション)された後、リソソームと融合します4)。リソソーム内部の酸性環境下でリンカーが加水分解され、細胞内に遊離したカリケアマイシン誘導体が2本鎖DNAの副溝に結合し、DNAを切断することで、細胞周期の停止とアポトーシスが誘導されます4、5)

●CD22とは

CD22とは、B細胞系に選択的に発現する細胞表面抗原で6)、B細胞が活性化した後、形質細胞期に入る前に消失します。他の正常な非リンパ系組織や造血幹細胞、末梢血T細胞、顆粒球、単球には発現しません6)。また成熟B細胞性ALL7、8)・前駆B細胞性ALL患者の90〜100%でCD22の発現が認められている6)ことから、B細胞性ALL細胞の特異的な指標となります。

●ベスポンサへの期待

山内 高弘 先生 福井大学医学部 病態制御医学講座 内科学(1)教授/福井大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科長

カリケアマイシンはあらゆる細胞に毒性を示す抗生物質であり、単体では投与不可能である。しかし、ヒト化抗CD22モノクローナル抗体と結合させ複合体としたことで、治療薬として使用可能となった。
また2016年(NEJM)には、再発又は難治性のCD22陽性ALL患者を対象に、ベスポンサ群と従来の標準化学療法群とを比較した国際共同第III相試験(INO-VATE試験)の結果が報告されている9)
ベスポンサが、標準治療が確立されていない再発又は難治性ALL治療の重要な選択肢となることが期待される。

INO-VATE試験:INotuzumab Ozogamicin trial to inVestigAte Tolerability and Efficacy Study

社内資料:薬効薬理試験(in vitro)[L20171116028]

社内資料:薬効薬理試験(in vivo)[L20171116029]

de Vries, J. F. et al.:Leukemia 26(2):255, 2012

Ricart, A.D.:Clin Cancer Res 17(20):6417, 2011

山内 高弘ほか:“抗体抱合薬(イノツズマブ・オゾガマイシン)” 急性リンパ性白血病(ALL)の基礎と臨床 薄井 紀子編 医薬ジャーナル社:249, 2016

Shor, B. et al.:Mol Immunol 67(2 Pt A):107, 2015

Piccaluga, P. P. et al.:Leuk Lymphoma 52(2):325, 2011

Raponi, S. et al.:Leuk Lymphoma 52(6):1098, 2011

Kantarjian, H.M. et al.:N Engl J Med 375(8):740,2016

ベスポンサの作用機序

CD22抗原を認識して選択的に結合し、細胞内にカリケアマイシン誘導体を放出することで、その細胞の2本鎖DNAを切断し、殺腫瘍細胞効果を発揮します。

監修:山内 高弘 先生
福井大学医学部 病態制御医学講座 内科学(1)教授/福井大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科長

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